【学園アリス】幼馴染の鳴海先生 (ページ11)

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Contents(9) ページ11

瞬く間に柚香先輩と志貴先輩の婚約の話は広まった
志貴先輩の事は生徒会長程度にしか知らないが、姫様の血縁者という事は姫様から教わった

そしてこの婚約の話は多分嘘
悪戯好きな姫様が五十嵐先輩と仕組んだのだろう

…初校長への牽制と考えられる為、私も下手な事は言えない
勿論杏樹にさえも

「大丈夫、杏樹？」
鳴海「何が？」
「柚香先輩の事」
鳴海「あぁ…。いいんじゃない本人がいいなら」

杏樹はそういうと煙草に火をつけた
スーッと煙を吐くと、辺り一面煙で満ちた

『本人がいいなら』
杏樹は柚香先輩をパートナーにされた時から、柚香先輩が先生に気があることを知っていた

だからこそのこの言葉

…杏樹は全然良くないくせに
私は杏樹が失恋してくれた方が有難かったりするけど

鳴海「志貴先輩なら生徒会長だし、申し分ないだろ」

杏樹のソレからは悔しさが伝わってきた
何故俺じゃないのかっていう

「そのうち熱(ほとぼり)が冷めるよ。…それよりあれだけ柚香先輩を気に入ってた初校長がどう出るかだよ」
鳴海「俺らに任務押し付けてくるに決まってんだろ」
「多分ね」

ドンドンッ
その時杏樹の部屋の扉がノックされる

こんな煙草を吸ってる所を見られる訳にも行かないので、杏樹を扉から見えない所に押しやり、私が出た

「神崎さん、こんな所に居たダスか。神崎さんの部屋にも行ったダスよ」
「あぁ、ごめんね。私達に何の用？」
「初等部の校長先生から任務だと言付かってるダス。21時に寮前に車を用意するとの事ダス」
「わかった。ありがとう」

扉を閉め、今の話を耳を大きくして聞いていたのだろう杏樹がため息をついた

鳴海「言った通りだろ。アイツは俺たちに責任を取らせようとする」
「そうだね。でもさ、柚香先輩が学園生活を過ごしやすく過ごしてくれればいいよね」

杏樹は何も言わなかったけど同意しているとは思う

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鳴海「…ターゲット堕ちたぜ。場所も吐いた」
「わかった。移動して後は私が全部消す」

その場を車で離れ、移動する
これがいつもの流れ
…移動しない時もあるけど

杏樹が男女構わずフェロモンで堕として、組織の場所等を吐かせる
それを私が場所ごと消してしまうという訳だ

場所さえ分かっていれば私1人で任務をする事もある
けれど最近は専ら杏樹とのペアだった

杏樹の部屋で過ごすことも含め、2人で居ることも増えつつあり私としては嬉しいことだった