【学園アリス】月夜の蒼月 (ページ35)

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Contents(15)＊Z ページ35

あれから2日
俺の手元に手紙が届いた

Aからの手紙で、中を開けて見れば3枚もの便箋に文字が書かれていた
それを上から順を追って読んでいく

…あの日家が火の元がないような所から出火し、家中が火に包まれた
急な出来事で気付いた時には一階は火の海で、逃げる事すら出来なかったという
母さんがAを守ってはくれたが、瓦礫に阻まれ一緒にいる事は出来ずじまい

母さんにアリスを使うのを止められていたけど、静止を振り切りアリスを使って家を元に戻そうとした矢先
黒服のスーツを着た男性が瞬間移動してきてAだけを連れ去った

外に連れ出され、まだ母さんが中に居ると泣き叫んでも聞く耳を持ってくれず、車に乗せられた

出火原因について何か言われる事は無かったが、原因不明な事から学園側のアリスによる犯行だろうと予測したらしい
タイミング良く火の中に瞬間移動してきた事と言い、計画していたとしか思えない…と

そのまま学園に連れてこられ、初校長と会い、監視の名目で本部暮らしをすることになったという

…詳細にあの日の事が書かれていた
今までAしか知らなかったあの日の事
3年越しにこうやって知ることができた

付け加えるように俺が何故Zにいるのかが問われていた

あの日、俺と父さんは消防・警察が取り囲む燃え尽きた家をみて絶望したのを覚えている
中からは母さんの遺体しか出てこず、出火原因も不明な事から父さんは学園の仕業かもしれないと目星をつけていたようだった

ホテル暮らしを強いられていた俺たちの耳に捜査打ち切りの連絡があったのは数日後
…圧力がかかり、この件はお蔵入り
その時点で父さんの考えは確信に変わった

それから1ヶ月後、反学園組織Zの構成員が俺たちに接触してきて、あの時の火事は学園側が仕組んだ物で、Aは連れ去られ初等部校長に利用されているという情報提供を受けた
…組織には学園本部に忍び込むスパイがいて、組織に所属すれば情報は定期的に来るという話を貰い、俺と父さんは所属することになった

これが俺と父さんがZに所属することになった理由である
それからというもののZで仕事をこなしてきた

仕事をこなしていくうちに父さんの体調が次第に悪くなってしまい、休んでいることが多くなった
そんな時敵組織との抗争があり、命を落としてしまった
万全の体調であり、俺がもっと動けていたならこんな事にはならなかったのかもしれない

…後悔してももう戻らないけれど