【学園アリス】月夜の蒼月 (ページ4)

今日:19 hit、昨日:24 hit、合計:11,068 hit

Contents(2)＊M ページ4

「ナル先生、ちょっといいですか」

朝のHR終わりに担任の鳴海先生を捕まえる
この人なら何か知っているかもしれない、ウチになら話してくれるかもしれないという一縷の望みをかけて

鳴海「蜜柑ちゃん。…いいけど…。…もしかして機嫌悪い？何かあった…?」
「や、別に…」

機嫌は良くないといえば良くない
昨日、真夜中に知らない人を見かけて正体を突き止めようとして捕まえたはいいものの…
足をかけられて転ばされ、挙げ句の果てに逃げられた…

この一連の流れで機嫌が悪くならない方がおかしい

鳴海先生に心配されながらも昨日の出来事を思い出す

「…この学園に、ウチの知らない…。初等部の制服を着ているけれど初等部に来ていない生徒っていますか」
鳴海「…?どういう…」

確かに今の説明では言葉が足らなかった
先生が困惑している

「…昨日の夜、偶然知らない人を見かけたので正体を聞こうとしたら逃げられたんです。暗い月明かりの中だったけど、漆黒の綺麗なショートカットで、透き通るような蒼い目をした女の子を、先生知りませんか」

容姿の特徴を伝えた途端に目を大きく見開いた
…多分何かを知っている
鳴海先生だったら喋ってくれるかも、そう思ったけどその予想は甘かった

鳴海「…それ幽霊じゃない?」
「…は?」

予想外の言葉が鳴海先生の口から吐き出される

幽霊だって?そんな馬鹿な話があるか

「ウチは昨日、その子の腕を掴んでる。幽霊なんて…」
鳴海「ここはアリス学園。幽霊に実体があっても不思議じゃないでしょ?」

授業があるからこれで、と逃げるようにして先生は行ってしまった
確かにここはアリス学園だからなんでもありなのは確かなのだけど

棗「…蜜柑?」
「大丈夫」

廊下から全く戻ってくる気配のないウチを心配して棗が教室から出てくる
放課後色々な人をあたってみようと思い直し、教室に入った

棗「どーした。アイツと話すなんて」
「えーウチが鳴海先生と話すのそんなに変かな?普通やろ。…実は、昨日ウチが知らない子を見かけたんよ。その子が誰なのか問い詰めようと思ったら逃げられた」

隣を歩きながら棗に昨日あった事と今あった事を説明する
棗「俺らが知らねー事を安易と学園側が話すとは思えねー」
「…一理ある」

棗のその言葉にウチはため息をつきながら席についた
丁度タイミングよく授業を始めるチャイムが鳴り響き、教科の先生が教室に入ってきた