【学園アリス】月夜の蒼月 (ページ13)

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「つまり一番上ってこと？」
鳴海「そ♡…Aちゃんは特別っていう嫌なアピールになっちゃうけどね…」

そんな事今に始まった事ではない
そもそも本部軟禁だって、特別だったからそういう対応になっているワケだし

「大丈夫だよナル。本部生活で特別扱いはもう慣れた。他の子になんて見られようが平気」
鳴海「全く君は強いね…」

ふと呟くとナルは私の頭に手を置いて、くしゃくしゃとし始める
くすぐったいと話すと、手を離してくれた

鳴海「もう家庭教師しててわかってるけど、Aちゃんの学習能力は高い。初等部で置いていかれるなんて事ないと思う。アリスレベルも凄く高いし、大丈夫じゃないかな。…今までもしていた仕事は今後も付き纏うと思うけど…」
「それも大丈夫。慣れた」

先ほどと同じ事を言うとナルは笑った

鳴海「初等部や寮では監視を佐倉蜜柑ちゃんと日向棗くんが担当する。わからないことがあれば2人に聞くか僕に聞いてね」
「それって…。ツインテールの女の子と赤い目の男の子？」

今日初校長から聞いた名前とそうで無い名前
でも大方あの時部屋にいた人物であろう事がわかる

鳴海「そう！その2人。危険能力系…Aちゃんと同じように仕事をする能力別クラスの事なんだけど…。そこに所属する2人なんだ。蜜柑ちゃんは初校長の、棗くんはペルソナのお気に入りって言われてるかな」
「…成程」

余程気に入られているとは思っていたが、そういう事か
初等部に通う事になったというのは最初は驚きだったが、お気に入りの願いとあらば叶えたくなるものだろう

「佐倉蜜柑っていうのも余程の物好きなんだね。私を本部から出すなんて」
鳴海「そうだね…。蜜柑ちゃんは自分の心配より、他人の心配をする子だから」
「大体おっけーだよ。わかんないことあったらまた聞くよ。ナルがクラス担任って聞いて安心した」
鳴海「最初はあんなに嫌ってたのに、今はこうして頼ってくれて嬉しいよ」
「…ナルは大丈夫って思ったから」

私が学園に連れてこられた後、暫くは誰も信用なんてできなかった
だけどそんな中、私に懲りずに接してくれたのはナルだけだったから
この人なら大丈夫って思う事ができた唯一の人だから

鳴海「蜜柑ちゃんなら大丈夫。きっとAちゃんが信用できる人だよ」
「そうだといいんだけど」

優しく微笑みかけてくれたナルに私も笑った

鳴海「それじゃあ話も終わったし僕はこれで。また明日ねAちゃん」
「うん、またね」