月下美人の君【蒙恬ルート.2】 (ページ8)

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美人薄命.2 ページ8

蒙恬率いる楽華隊の異常な働きによって、早くも秦国軍の勝利が目前となっていた。その日の夜も祝杯で大いに盛り上がる兵士達。

胡漸「蒙恬様～！じィは…！じィは！」泣

陸仙「うっわ…。まだ泣いてんスか副長！
あれから数日も過ぎたのに…」

胡漸「長年の夢が成就したのだッ！
これが泣かずにいられるものか！

…A様には、本当に感謝せねば。

蒙恬様の子を、宿して頂いたのだから…」

陸仙「って言っても、結婚前なんすけどね～

…イテッ！」

胡漸「だまっとれェッ！！」

火を囲んで酒を飲み交わす。
楽華隊の隊員達も皆その知らせに、幸せなそうな表情を浮かべる。
中央にいた蒙恬も、同じだった。

蒙恬「Aと俺の子だったら、

超超超可愛いよね～！秦国一！

いや、中華一の可愛さかもしれない…！

ああー！早くAに逢いたい～！

逢って抱きしめて、
朝までずっと一緒にいたい～～！！」

陸仙「蒙恬様ッ！！飲み過ぎですよ！

…たくッ。このお二人は…」

毎回毎回、諌める自分の身にも
なってほしいとのだとふぅ～とため息をつく。

そんな時だった…。

信「蒙恬ッ！…蒙恬はいるか！」

騒がしい男の声が場を濁す。
「なんだ、なんだ」と皆、困惑な声を上げた。

蒙恬「おお～～！信！

お前もこっち来て飲め…

信「蒙恬ッ！！大変だ！！

…Aが…いなくなった！」

そこには、地味宮女こと向より
飛信隊の信宛で急ぎの文が来ていた。

蒙恬「…どういうことだ？詳しく話せ。」

Aという名前を聞いたら、
恐ろしい程、すぐに表情が切り替わる。

そこには
命をかけて守るべき者がいる男の表情をした
蒙恬がいた。