白老の言葉.2 ページ31
蒙驁 「共に登ってゆけば、その関係は必ず大きな力を生む。六将達がそうであったように。そういう戦友の形もあると思うぞ…」
そして、Aの手を握り返し、
蒙恬に目を向けてる。
蒙驁 「それと……恬よ。
これは、じじいと孫の約束じゃ…。
Aは生まれ落ちた瞬間から
背負わされた定(さだ)めは、
闇が深く、とても重い。
…夫として、しっかり
Aを守ってやるんじゃぞ。
どんな事があっても、
その手を離さないようにな…」
蒙恬 「じーちゃん。そこは安心して…。
俺が絶対に
何に変えてもAを守り抜くって誓うから」
蒙驁 「フォ…。安心したわい…。
いや…それにしても……
長い旅じゃったのォ……」
A「………っ!!」
信 「えっ…………」
蒙恬 「……くっ………!!!」
その瞬間…蒙驁から生気がなくなった。
家臣 「わっ、若っ!!?」
周りは困惑したまま蒙恬に話しかけるが、
彼は力なくその首を振った…。
その光景に家臣達は皆、主君の死を悟った。
家臣 「「「白老様ァァァっー!!!
うぐぐっ!うぐぁぁー!!」」」
突如、皆の悲しみが爆発する。
始皇七年 蒙驁 死去ーーーーーーー
その知らせに、屋敷の外の人間までもが
膝をついて地面に泣き崩れた。
蒙恬 「六将なんかじゃない。
俺にとっては、あなたが一番の英雄でしたよ。
蒙驁大将軍…。
本当にお疲れ様でした…。
ありがとう。じーちゃん…」
蒙驁を抱きしめ、涙を流す蒙恬。
同じように止まることを知らない
頬を濡らす雫に咽び泣きながら、
Aは少しでも
彼の悲しみを癒せる存在になりたかった。
⭐⭐
その日の夜、城中が蒙驁の死を悲しむようにシン…と静まり帰っていた。
力なく先に寝台に休んでいる蒙恬を
起こさないように、
そっと潜り込むA。
悲しむのも無理はない…。
蒙驁将軍は、幼き頃より
家族の中で唯一彼の理解者であったからだ。
少しでも…蒙恬の助けになりたくて…
悲しみを癒してあげたくて…
震える肩にそっと手を伸ばす。
87人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夏目 - 私も蒙恬推しなんで嬉しいです。もし蒙恬の子供ができた話も見てみたいです (2021年10月31日 7時) (レス) id: 1b00569172 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:09kokoa | 作成日時:2020年9月19日 10時