月下美人の君【蒙恬ルート.2】 (ページ13)

今日:4 hit、昨日:22 hit、合計:57,594 hit

琴瑟相和.3 ページ13

行商人に刃を突きつけていた陸仙も、刀を収める。

陸仙「悪いけど、そーゆーことだから。

これ全部キャンセルで」

行商人「えええーーー！」

外野の騒ぎ声も聞こえないように、
甘く二人だけの世界に入る蒙恬とA。

お互いの存在を確かめ合うように、
強く抱きしめ合う姿は、

周りから見たら甘すぎて毒である。

陸仙「……(なんだかんだで
バカップルに戻りましたね)」

胡漸「…良かったァッ！…蒙恬様！！」泣

陸仙「…本当に良かったんですか？」

胡漸「何年蒙恬様に仕えてると思っとる！

…蒙恬様が幸せなら、それでいいんじゃ…。

あんな幸せそうな二人なら、

きっと心配せずともお子はできよう……」

陸仙「………たしかに」

遠目から見ても、お互いを見つめ合う二人は
運命の赤い糸で結ばれているようだ。
…どちらも容姿端麗な分、絵になって悔しい。

陸仙「………俺も嫁もらうかな」

甘い口づけまでし合う彼らを支えるのは
独身の身では辛すぎる。

⭐⭐

仲直りしたAの腰を抱いて、帰り道に
向かう蒙恬が、ふと後ろに振り向く。

そこには、彼女をこの場所に止めてくれたように
ヒビが入った墓標があった。

蒙恬「……
(王騎将軍…。ありがとうございます)」

心の中で呟いた言葉だったが、

通りすがった風の囁きから

「全く世話がやける二人ですねェ…ココココ」と

声が聞こえた気がする。

蒙恬「そうだ！…A！

戦は信達に押し付けてきちゃったし…

俺たちはもう少し、

親睦を深める為に、仲直りしよ！」

A「…恬、迷惑かけてごめんね…。

でも、親睦を深めるって…どうすればいいの？」

蒙恬「簡単だよ！

仲直り記念に……いっぱいしよ♡」

そう言って、問答無用で

あっという間に、お姫様だっこされて

馬に乗せられる。

A「えっ…///、い、いまから…？」

蒙恬「……うん♡…Aが気絶するまで」

サラッと恐ろしいことを口する蒙恬。

A「…話聞いてたの？

私、子どもがっ！」

蒙恬「子どもなんて関係ないよ。

…これは大人の愛情表現だから。…ねっ？」

A「…っ///、分かった。

恬…大好きっ…」

そう言って、馬上でも頬にキスしてあげれば、
「…煽った分、責任とってね」と
また恐ろしい事を言われた。

…それでも、愛する蒙恬とする事なら

全部幸せに感じるAだった。