お見合い ページ9
無事山陽での戦いも終わり、咸陽に戻ってきたA。しばらく平穏な日常が戻ってくるかと思っていたが…その知らせはAの日常をぶっ壊した。
A「お見合いッ！？…王賁くんが！」
騰 「ああ。もし正式に結婚となったら、
王一族の分家として、Aに代表して
出席してほしい」
長く王騎の副官をしていた騰だが、確かに彼は王一族ではない。むしろ、娘として籍を置いているAの方が公式の場では分家の姫として御家の代表に立つのが相応しいと分かっている。
分かっているが…。
騰 「王賁は確か17〜18歳くらいになったか。
…Aももう16歳。少し早いが、今の内に
戦ばかりではなく色恋も経験しておくのもいい」
騰さまの声が、遠くに聞こえる。
こんなに近い距離なのに…
騰 「…A、大丈夫か…？」
目の前で手をヒラヒラすられても、
しばらく反応出来なかった。
それくらい、王賁のお見合いの知らせは
Aの心にぽっかりと穴を開けた。
⭐⭐
着物に着替えて、馬に乗ろうと屋敷を歩いていると、反対側から録嗚未達や軍長の姿が見えた。
録嗚未 「おおー！姫様！
これから新技の練習やるんだが、どうだ？
見るかっ？！」
ニカッと笑った彼に、きっといつもの自分なら目を輝かせて即答しただろう。だが、今はそんな気力はない。
A「……ごめん。無理」
血の気の引いた顔で、よろよろと歩いて行ってしまうA。その反応に録嗚未だけでなく城の者も驚きを隠せない。あの戦闘マニアな姫様が…断っただと…？！と皆目を疑った。
フラフラと歩く後ろ姿を、見守っていた録嗚未だが、何もないところでつまずいたり、頭をぶつけている彼女を見て心配になってきた。
録嗚未 「んだ…？、熱でもあんのかよ？」
乗ってこない彼女なんて珍しくて、つまらない。
いつも渋々付き合っていたつもりが、彼女が居ないと楽しみがないとしみじみ思った。
愛馬に乗って城から走り、
どこに行くか決めるでもなくただ走った。
このグジャグジャに混乱した想いも、苦しさも。
胸が張り裂けそうに痛い…。
A「…なんでだろう。
戦で怪我したわけでもないのに」
ぽろぽろと頬を伝う涙も。
この感情がなんなのか、
Aには分からなかった…。
そんな時ばかり、一番逢いたくない人物に
逢ってしまうものだ。
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09kokoa(プロフ) - kwkさん» kwkさん！ありがとうございます！嬉しいです。頑張って更新していきますね！ (2020年10月15日 20時) (
レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
kwk(プロフ) - 楽しくなって夢中になって読んでます。大変やと思いますが…更新楽しみにしています！！頑張って下さい！！ (2020年10月15日 9時) (レス) id: d400d18c11 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - さあやさん» さあやさん、コメントありがとうございます！さあやさんの作品も大好きです〜！ (2020年10月14日 11時) (レス) id: f05c1b9b36 (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - 王賁ルート待ってましたっ！更新楽しみにしてます〜！！ (2020年10月13日 15時) (レス) id: 523a6006f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：09kokoa | 作成日時：2020年9月13日 23時
