月下美人の君【王賁ルート】

恋をおしえて.3 ページ8

だが、突然…
唇を離して、身を翻すように離れていく王賁。



王賁「A……。俺も男だ。

これ以上すると、歯止めが利かなくなる。

……お前を無理やり襲ってしまうかもしれない。



お前を傷つけたくない……」




熱い息を吐きながら、それでもギリギリの所で
理性を保とうとしている彼からは、とんでもない色香が漂う。

辛そうなその体からは、全身から汗が流れていた。


普段とは違ったその瞳から、逃げらない。





A「わたし……、恋とか愛とか


よくわからないけど、王賁くんだったら…






何されても、だい、じょうぶ…だよ。………」






驚くべき爆弾発言と共に…
強いアルコールと激しい眠気にもう限界が近いのか、
そのままスーッと寝息を立てて、眠ってしまった。








王賁「……ッ？？？！！



(この状況で…寝ただとッ！！？)」




吞気にむにゃむにゃ…と眠る彼女の寝顔に毒気を抜かれる。





はぁーーーーっと盛大な溜息とともに、

今にも暴れ出しそうな欲望を必死に鎮める…。



こうなっては無理にこのまま進めるわけにも行かず、
眠る彼女の隣に横になった。
…横目で睨んでみても、綺麗に寝ている彼女。



興奮で汗をかいた身体にまとわりつく着物を上半身だけ脱ぐ。


仕返しとばかりに、Aを抱き枕代わりに
腕の中に閉じ込めると…抵抗なく、王賁の腕の中にすっぽりと入った。




王賁 「何を言うかと思えば……





そういうことは、起きてる時に言え。……馬鹿者」




少なからず、
彼女も自身を想ってくれたことを知った。
早く、A自身にも自覚してほしい…。


そしたら、次は容赦しない…。

そう思いながらも、
なんだかんだ疲れた王賁はAを
抱きしめながらそのまま眠りにつく。


その顔は、幸せそうに微笑んでいたことを

…知る者は誰一人としていなかった。

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