Only you can make me happy or cry ページ33
数多くの使用人達を追い抜かして、連れてこられたのは豪華絢爛な王賁の部屋。
流石というべきか、
細かい所まで洗礼された美しい空間に息を飲む。
その美しさに部屋中を見渡して、
ぽすっと寝台の上に腰を下ろした。
機嫌が悪いのかあれから一言も
話さない王賁の眉がピク…と動いた。
A「…そういえば、道場はよく通ったけど
賁くんの部屋に来るのって初めてかもね」
王賁 「………」
A「…まだ、怒ってる？
そんな顔ばっかりしないのっ！」
眉間にしわを寄せて険しい王賁の顔に手を触れ、
そのしわを伸ばす。
長い眉が少し緩やかになった。
A「うん。…カッコいい♡」
彼女のそんな無防備な笑顔を至近距離で受けたら、
抑えていた気持ちが溢れだした。
可愛らしいAの頬に触れ、
顎を持ち上げて口付ける。
それは、動物が獲物を狩るのに近く
息を止めるような激しいものだった。
抵抗しようとした腕を押さえつけて、
そのまま寝台に二人で倒れる。
…そもそも男の部屋にきて、
自分から寝台に座るなど言語道断だ。
男を誘っていると同じ意味なのに、きっと彼女はそれすらも知らないだろう。
A「…んッ！…ふぁっ…ぁ…っ！」
抑えてつけてきた感情が、流れるように止まらない。欲望や嫉妬が胸の中でドロドロと渦巻いて、その全てが彼女にしか感じないものだと分かっていた。
舌を入れてその小さい口を蹂躙してやれば、
あっという間に肩で息をするA。
その色っぽい顔に思わず、ドキドキと心臓が騒ぐ。
王賁 「…お前は隙が多すぎる。
男とはどういう生き物なのか、
教えてやる必要があるな」
A「ゃだッ…！待って…んんんっ…！」
問答無用でその唇を奪ってやる。
柔らかい感触に病みつきになって、まるで王賁に食べられてしまうんじゃないかと思うくらい、甘く激しく愛を交わした。
王賁が着物の中に手を伸ばし、
彼女の肌に触れた時、
その体が震えていることに気づく。
…その瞬間、
ハッと我に返って身を彼女から離した。
王賁 「…すまない。A」
その瞳の中の優しい色に、
いつもの王賁が戻ってきた事を知るA。
彼にされて嫌なことなんて一つもない。
ただ初めての体験に、自然と体が震えてしまった。
A「……賁っ…」
気遣ってくれる優しい彼が戻ってきてくれて、
思わず目頭からツーと涙が溢れる。
Aも好きという気持ちが爆発して
どう表していいか分からなかった。
Only you can make me happy or cry.2→←雨過天晴.4
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 89人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
09kokoa(プロフ) - kwkさん» kwkさん！ありがとうございます！嬉しいです。頑張って更新していきますね！ (2020年10月15日 20時) (
レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
kwk(プロフ) - 楽しくなって夢中になって読んでます。大変やと思いますが…更新楽しみにしています！！頑張って下さい！！ (2020年10月15日 9時) (レス) id: d400d18c11 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - さあやさん» さあやさん、コメントありがとうございます！さあやさんの作品も大好きです〜！ (2020年10月14日 11時) (レス) id: f05c1b9b36 (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - 王賁ルート待ってましたっ！更新楽しみにしてます〜！！ (2020年10月13日 15時) (レス) id: 523a6006f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：09kokoa | 作成日時：2020年9月13日 23時
