愛月撤灯 ページ24
あれから、どれくらい時間がたったか分からなかった。お互いに、ずっと秘めていた想いをぶつけるように唇を触れ合わせた。
夜も更け、頬を撫でる風邪が寒くなってきた頃
二人は天幕に帰ることにした。
途中、玉鳳隊と胡蝶隊への分かれ道で、
足を止めてしまったA。
…本音を言えば、まだ彼の隣にいたかった。
それは、王賁も同じようで
彼には珍しく自分から手を繋いできた。
王賁 「……来い」
A「えっ……、でもそっちは玉鳳隊の…」
王賁 「いいから、来いっ…///」
強引に引っ張られる手に、大人しくついていく。
後ろから見た王賁は、その耳が真っ赤に染まり
何をしに彼の天幕に誘われているのか
それを見て悟ったAは
同じように真っ赤になった。
王賁の天幕に入ると、彼らしく整理整頓された
小綺麗な空間に思わず、微笑んでしまった。
とりあえずお互いに座るも、
緊張してどうしたらいいか分からず
恥ずかしさを誤魔化すように口を開く。
A「蒙武将軍が汗明を討ってくれた事で、
戦況もいい方向に向きそうだ…ねっ…?!
言葉が終わらない内に、
天幕の中で王賁に押し倒される。
ぐるん…と倒された体、目を開けば
王賁の整った顔がどアップにあり、
心拍数が一気に上がった。
王賁 「………A」
A「ひゃぃっ!!(舌噛んだっ///)」
普段の彼からは想像もつかないよう甘い声に、
もう頭の中はパンク状態で、
おかしくなっていた。
そんなAの様子を見て、
クスッ…と笑う王賁は、いつもと別人で
王賁の皮を被った、
違う人なのかとも思ってしまった。
王賁 「…お前を独り占めできるなら、
どこだっていいと思い始めてる自分がいる。
こんな気持ちは、
俺自身でも驚きで…
Aを傷つけてしまいそうで
どうしようもなく、困る。
お前と居ると、俺はおかしくなりそうだ…」
その台詞の一つ一つも、
Aの唇の触れるか、触れないかで
話されるものだから…
王賁の色香にAも、
おかしくなってしまいそうだった。
たまらず、Aからちゅっ…と触れると
王賁の舌がAの口内を暴れ回り、
身体中に電気が流れたように、ピリピリと痺れた。
A「んぅ…おうほんっくん…」
王賁 「…賁と呼んでくれ。
今は…お前を愛する一人の男になりたい…」
A「…うれしい。
私も、すき…。賁が好き…」
王賁 「Aッ…っ」
愛月撤灯.2→←He/She is the world to me.3
89人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
09kokoa(プロフ) - kwkさん» kwkさん!ありがとうございます!嬉しいです。頑張って更新していきますね! (2020年10月15日 20時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
kwk(プロフ) - 楽しくなって夢中になって読んでます。大変やと思いますが…更新楽しみにしています!!頑張って下さい!! (2020年10月15日 9時) (レス) id: d400d18c11 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - さあやさん» さあやさん、コメントありがとうございます!さあやさんの作品も大好きです〜! (2020年10月14日 11時) (レス) id: f05c1b9b36 (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - 王賁ルート待ってましたっ!更新楽しみにしてます〜!! (2020年10月13日 15時) (レス) id: 523a6006f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:09kokoa | 作成日時:2020年9月13日 23時