【王賁】氷姫との恋.22 ページ44
駆けつけてくれた兵士達に、引っ張り上げられなんとか助かったA達。
踏ん張っていた蒙恬と信は、地面に倒れこむ。
「若様ッ!」「なんて危ないことを」と兵士達から次々言われても王賁は、救い出したAの手を離さなかった。
もしあの時、信が王賁を掴んでいなかったらと考えるとゾッとする…。王賁がしたことに、全身が震えるくらい許せなかった。それは怒りの原因が、王賁に失うという恐怖に心が耐えられないからだ。
思わず王賁の胸倉を掴み、声を張り上げる。
A「王賁ッ!!なんであの時手を離したの?!…………もし、助けられなかったら死んでたんだよ?」
今まで、氷のように凍りついた表情しかしなかったAが、大粒の涙を流して流しながら叫ぶ姿は周囲を衝撃を与えた。
王賁 「…………俺はそれでも構わなかった」
その言葉にまた頭に血がのぼる。
A「王一族の後継者として、あんな小さい時から頑張ってきたのにッ!…なんでそれを無駄にするようなこと……
王賁 「お前が生きていないと、意味がないんだ!」
それはAが怒っていると同じように、王賁も同じくらい憤怒していた。
王賁 「家も、一族も、血も……関係ないッ!
…俺は生涯お前を守るとこの身に誓ったんだ。
例え、違う場所で…お前が違う誰かを愛し、子を産んでも……それでもAだけは俺が守ると決めたんだ。」
そう言ってAの頬を優しく撫でる王賁。
ずっと会いたかったーーその想いが溢れ出す。
泣き崩れるAをすっぽりと、優しく包みこむ。
二人のやり取りついて行けない周りだったが、普段の二人からは想像もできない姿を見て、尋常じゃないと感じていた。
蒙恬 「はいはい。お疲れ様〜。一旦二人だけにしてあげよ。…信も帰るよ。」
信 「えええっ!俺の出番ってこれだけ?」
蒙恬 「まぁーまぁー。今は邪魔しないであげよう?
……きっと、あとででっかい見返りがあるはずだからさ」
気の利く蒙恬が軽口を叩きながら、兵士達と下がっていく。王賁にとっても、やっとAと二人きりになれたのは願ったり叶ったりだった。
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花奏 - 面白すぎて昨日から一気読み…!!ストーリー面白すぎて評価も忘れてました…((駄目じゃん 評価付けのためにも二周目行ってきます!!!応援してます!!そして番外編という形でいいので羌瘣や貂、楊端和、カイネらと女子会☆とかしてほしいです(貪欲 応援してます! (2021年9月11日 15時) (レス) id: a61dbb4f1c (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - 賀蘭さん» ありがとうございます!そう言ってもらえると嬉しいです! (2020年8月16日 2時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
凌 - 李牧&舜水樹&紫伯&姜燕エンドが見たいです。 (2020年8月15日 23時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
賀蘭(プロフ) - 更新楽しみにしています!応援しています! (2020年8月14日 23時) (レス) id: afc1e9fd70 (このIDを非表示/違反報告)
09kokoa(プロフ) - えりさん» えりさん。コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです!どちらか選べない気持ちめっちゃ分かります。今後も欲張りなので色んなキャラEND作っていけならいいなと思います。 (2020年7月28日 12時) (レス) id: d89cc95811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:09kokoa | 作成日時:2020年7月22日 21時