月下美人の君〜外伝〜

【王賁】氷姫との恋.3 ページ25

信 「オイッ！蒙恬！さっきの女見たかよ！
あんな細い身体なのに、蒙武級の男を蹴り飛ばしてたぞっ？！しかも……か、可愛いぃぃ。／／」



見ていた者達は、何人か同じ思いをした者も多いようで、「A様を一目見ただけで心奪われてしまった」、「A様に私も踏まれたい」と口々に声に出していた。


蒙恬 「……はははっ。相変わらずだよね、Aも。」


信 「…なぁッ！！！お前、あのAって女のこと知ってんのか？！教えてくれ！」


蒙恬 「えーー。まあ、いいけど。(うわ、ライバル増えた)


信が見たらきっとガッカリすると思うよ。


……A、王賁のこと好きだから」


信 「何ィィィィッー！！なんでココで王賁が出てくんだよ！！」


蒙恬 「ちょっと！暑苦しい……。汗

じゃあ、お前に面白いもの見せてやるよ。

あと、数日後に王賁が戦から帰ってくるから
俺と一緒に町に行こう。」



信 「？？？」


それから、数日後。
Aを艶かしい身体を見たせいか、信はそれまでずっとAの事で頭がいっぱいになり、寝不足だった。一度でいいから、あんな美人と夜を過ごしてみたい…。まだ経験もないのに、密かに胸を熱くさせていた信であった。



蒙恬 「あ、きたきた。こっちー！

よーーーすっ。信！」


信 「オウッ！……蒙恬。
で、さっそくAはどこにいるんだ？」


蒙恬 「数日たったばっかりだっていうのに…
お前本当ガッつくな……。苦笑

いいから、こっち来てみろよ」


蒙恬に連れてこられたのは、馬鹿でかい城だった。



信 「どこだこりゃッ？！」


蒙恬 「王賁ン家」


信 「エッ？！これが…！」


散々お坊ちゃんだとは聞いていたが、実際にその城を目にすると圧倒される。中に入らなくても、使用人達がバタバタと出入りしてるのが見える。
また、出待ちなのか複数人の女達が入り口で今か今かと待っている姿も見える。


信 「……チィっ！」

これが、あいつの言う格の違いって奴なのか…
いけすかねぇ…。
しかも女まではべらせやがって。殿様か。あいつは…


蒙恬 「…はは。汗
全部顔に出てるよ、信。
今日はね……玉鳳隊が帰還する日なんだよ。」


合従軍の襲撃が去っても、残って戦い続けた玉鳳隊。そういえば、帰ってくるのか…と信は思う。

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