月下美人の君〜外伝〜

【飛信隊×蒙恬】遊嬉宴楽.7 ページ16

A 「そう…。昂はお母さんの為に戦ってきたんだ。本当にえらいね。」

昂 「そ、そんなッ／／！ A様もとっても綺麗な人なのにっ、戦に出てるって聞いて、すごいです！尊敬します！！／／」

昂が顔を真っ赤にしながら、手に汗握りAを褒めちぎる。その様子を見て、また周囲から冷やかしの声が上がった。

A 「ふぁあ〜」
男たちの夜はまだまだ続くが、落ち着いてきたとはいえ酔ったAは睡魔と疲労で目がとろん…とろんと今にも寝そうになっていた。

(竜川の腕やわらかそうだな〜。このまま横になりたい。)さすがに日頃の疲れが出たのか、船を漕ぐA見て、貂が小声で声をかけた。

貂 「……A。眠いなら一旦俺の天幕に戻ろう。信達も戻ってこなさそうだし…」
A 「……う、…ん。」

そこにお調子者・尾平と松左が言い争いをしていて、何故かAの方に向かってきた。

尾平 「Aちゃん！…頼む！
ずっと聞きたかったこと1つ聞いていいか？」

松左 「俺たちの中で、誰が一番タイプ？」

飛信隊 「「「ブゥッーー！」」」
男たちが驚きで一斉に酒を吐く。

渕 「な、なにを聞いてるんですかっ！？
これ以上、A様を困らせると殺されますよ！(信殿とか、蒙恬殿とか、、ああ、数え出したらキリがない…！)」

松左 「お姫さまには滅多に会えないんだし、酒の席だと思って…ねっ♪」

渕 「ねっ♪、じゃあ、ありませんよー！！」

尾平 「で！で！Aちゃん！
誰が一番タイプなんだ…！
(俺って言ってくれたら、もう今後の戦で負ける気がしねー！)」
「尾平、お前だけはねーだろ！ギャハハッ！」
「うっせーなっ！」とまだまだ騒々しい。

天幕に連れて行こうとしていた貂だが、
「(信、だったらどうしよう…)」と内心冷や汗で、Aの返事が気になって動けなかった。

当のAは、夢か現実か曖昧な感覚でぼーとしていて、質問に対してもあまり理解できていなかった。

Aの答えを今か今かと期待している者や、
興味がない振りをしているがめちゃくちゃ耳に神経を集中させてる強面メンバーなど
いつの間にか飛信隊の面子が揃っていた。

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