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屋敷を出て、昼間遊んでいた浜辺に行く。
お互い無言で波の音しかあたりには響いていない。
(ケンチ、まだ怒ってるのかな…)
繋がれている手からは何も伝わらなくてただ二人が繋がっているだけ。
「ねぇ、ケンチぃ…」
全く呂律が回らなくて自分がかなり飲んでいたことがようやく分かった。
ケ「全くも〜 飲みすぎですよ」
いつもと変わらない口調だ。
「だって、飲みたかったんだもん…」
ケ「まだ知っている人ばかりだったからいいものの知らない人がたくさんいるところではダメですよ?」
「外では私飲まないからたまにはいいでしょ笑それに…」
繋いでいた手を離して小走りでケンチの前に立つ。
「なんかあってもケンチが助けてくれるでしょ?」
ケ「はいはい、どこまでもお守りしますよ笑」
呆れたようなでもどこか楽しそうな顔をして笑っている。
「…昼間はごめんね?変なこと聞いて」
ケ「僕の方こそすいませんでした…」
「ふふ、はい!これで仲直り!」
そう言って私は海に向かって全力疾走。
走ったら走っただけ心の中のもやもやが晴れていくような感じがして夢中で走る。
波打ち際で止まって心臓を落ち着かせる。
ケ「ちょっといきなり走らないでくださいよ…そのまま海に入っていくのかと思ったじゃないですか!」
ちょっと怒ったような焦ったようなそんな顔をしている。
(やっぱり来てくれる)
「だって、走りたかったんだもん笑」
仕事だからっていう理由でもいい。どんな理由でも構わない。
(お願いだから離さないで、見失わないで…私を一人にしないで、あの人みたいに)
12歳のあの日の私みたいにしないでね…?
「ケンチ!約束して!!…私を見失わないで!私より先に死んじゃダメだよ?」
意味がわかったのかわからないけど何かを悟ったような顔をして、
ケ「…もちろんです」
そう強く頷いてくれた。
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月夜 - とても面白いです。私も二階堂のお話が読みたいです。 (2019年2月11日 21時) (
レス) id: 226362e8e8 (このIDを非表示/違反報告)
まぃ(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく読まさせていただいてます！新しいお話、二階堂のお話読みたいです！よかったらお願いします！！！ (2017年11月29日 17時) (レス) id: 92bf92977f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼唯 | 作成日時：2017年8月25日 19時
