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あっという間に時間は経ち夕食の時間。
奥様と亮太様はそのまま松さんたちと食事に行かれたようでまだお帰りになってない。
哲「お嬢様、遅いですね…」
渋「そうですね、いつもお呼びしたらスグいらっしゃるのに…」
啓「寝てんのかね?」
「ちょっと、俺様子みてくるから先食べてていいよ」
部屋を出て、お馴染みの階段を上がりお嬢様の部屋のドアをノックする。
が、何も反応が帰ってこない。
「…お嬢様、入りますよ?」
ガチャりと入ると机に突っ伏した状態で寝てる。
(啓司の言う通りじゃん苦笑)
そーっと机の上を覗き込むと課題はどうやら終わったようでノートは閉じてある。
「……なんだろ、これ?」
さっきまで机の上になかった写真立て。
見てみるとお嬢様の小さい頃、恐らく小学生くらい。隣にいるのは背の高い男の人。でも、小柄なお嬢様に合わして少し屈んで写真に写ってる。
細身のでもガタイのいい人。顔立ちは細い目で一瞬怖く見えるが写真には少し目尻が下がった柔らかい顔で写ってる。
そして、スーツの胸元にあるのは……
「これ、SPの…バッチ…」
俺の胸にも光るSPバッチ。
でも、おかしい。資料にもお嬢様の担当のSPは今まで松さんと敬浩だけと書いてあった。
なのに、ここに写ってるのはどちらでもない人物。
(誰なんだ、この人……)
あ「……ん…」
寝ていたお嬢様が声を出した。
写真をとりあえず撮り、急いで写真を元に戻すと、
あ「……涼真く…ん」
と言って涙を流した。
(涼真……)
聞いたことのない名前。
(て、そんなことより!)
「お嬢様ー、夕食のお支度が整いましたよ?」
涼真と呼ばれる人について考える前にとりあえずお嬢様を起こす。
あ「……ケンチ?」
俺の呼び掛けですぐ目を覚ましたお嬢様。
「お食事、どうしますか?」
あ「……あー、うんお腹空いてないからいいかな…」
歯切れの悪い返事をしながら悲しそうな目をしながら笑ってる。本人は多分こんな表情をしてるとは思ってないだろう。
「…そうですか^^* 分かりました。では、ゆっくりお休みくださいね^^*」
あ「うん、ごめんね?」
お嬢様の部屋を後にして携帯で撮ったさっきの写真をもう一度見る。
「松さんに後で聞いてみるか…」
そして俺はみんなが食事をとってる部屋に戻った。
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月夜 - とても面白いです。私も二階堂のお話が読みたいです。 (2019年2月11日 21時) (レス) id: 226362e8e8 (このIDを非表示/違反報告)
まぃ(プロフ) - はじめまして!いつも楽しく読まさせていただいてます!新しいお話、二階堂のお話読みたいです!よかったらお願いします!!! (2017年11月29日 17時) (レス) id: 92bf92977f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼唯 | 作成日時:2017年8月25日 19時