砂糖、六つ目。 ページ8
「華鏡さん？あなた今日から残業お願いするわ。」
店長から突然言い渡された“残業”の二文字。
まふくんとの時間が減ってしまうな…
でも、それでまふくんのためのお金が増えるのなら…喜んで受け入れよう。
でも、その前に…
『残業は基本ないって話じゃ？』
その瞬間、店長の目が怖くなった。
そして、態とらしく私を責めるようにこう言った。
「人手が足りないのよ〜。三星くんはあのまま連絡取れないし…
というか、あなたのせいで来なくなっちゃったんでしょう？」
『は？』
頬に手を当てて、嫌な感じにほくそ笑む。
「三星くん泣いてたわよ〜？あなたに笑い者にされたって。
だからあなたが責任とるのは当然よね？」
『でも…』
何気なく隣を見ると、ひとりのバイト仲間がほくそ笑んでいた。
「ウフフ…」
そして、疑いを感じながら残業の時間になった。
「お疲れー」
「お疲れ様でーす」
私が机を拭いていると…
バシャッ
「あーごめんなさいーわざとじゃないんですーw」
拭いた直後に、態とらしく水をこぼすバイト仲間。
『…そう。』
気にも止めずに拭いて行く。
「あの、私がチクったとか言わないでくださいねー？
あっ、わかります？私の方がここで長く働いてるんです。
このまま何事もなく居たいんなら…大人しく店長の言うこと聞いといてくださいね？」
他の人から見たら可愛らしいであろう、笑顔が、
私には汚い仮面を貼り付けた魔女に見えた。
「おつかれさまでーす♡」
彼女が帰った後、私は文句もなしにゴミ捨て場に向かった。
「華鏡さん？」
嗚呼、汚い声。
耳障りで、不愉快な、店長の声。
「トイレ掃除と休憩室もお願いできる？」
私はなにも言わず、トイレ掃除へ移った。
トイレで私を迎えて居たのは、
とても自然に汚れたとは思えない、トイレットペーパー、紙くず、黒ずみ。
生理用品入れ、ペーパー入れも、見るも無残に汚され、散乱して居た。
恐らく、いや、確実に、意図的の嫌がらせだろう。
『…大丈夫。終わったら、まふくんとの甘い時間が待ってる…！』
そう自分に言い聞かせた。
でも、とても子供が起きている時間には、変えることはできなかった。
《そんな日が、しばらく続いた。》
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 27人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆきか(プロフ) - あ、え、あの、めちゃめちゃ好きです、更新待ってます！ (2019年11月19日 19時) (
レス) id: f42ad21887 (このIDを非表示/違反報告)
えくれあしゃんえく - やば！最高や､､､､ヤンデレ､､､､いいのぉ (2019年1月13日 8時) (レス) id: ef8b35bd89 (このIDを非表示/違反報告)
鈴錬 - えぇむさん» マジですか！？「手抜きだと思われてるんだろうな〜…」とか思ってたからそう言ってもらえると嬉しいです！頑張ります！ (2018年9月24日 14時) (レス) id: 741c191d66 (このIDを非表示/違反報告)
えぇむ(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張ってください!!楽しみにしてます！ (2018年9月24日 0時) (レス) id: 0a5492f174 (このIDを非表示/違反報告)
鈴錬 - キョエエエエ！？初コメありがとうございます！！頑張ります！ (2018年9月19日 7時) (レス) id: 741c191d66 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鈴錬 | 作成日時：2018年9月15日 12時
