いつもの笑顔 ページ9
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「あー⋯。あと、名前聞いてもいい?」
『Aです!』
「Aちゃんね。Aちゃん、家どこ?」
『ここから電車で30分くらいなんですけど、もう終電終わっちゃってるのでタクシーで帰ります!』
「そっか。じゃあ⋯はい、手出して?」
言われるがまま、片手を手のひらを上に向けた状態で差し出すと何かがポンッと置かれた。
ん、この感触はもしや⋯。
『いやいやいやいや!受け取れないです!』
「いーの、俺が引き止めちゃったし。ほら、絆創膏と携帯貸してくれたお礼」
『⋯んん』
案の定、手のひらには諭吉が一枚。
ジャニーズから金を捲揚げることになるなんて⋯。
心苦しいけど、折角のご厚意を無駄にすら訳にはいかない、なんて思えば渋々受け取った。
「ん、いい子」
そう言って、ふわっといつもの可愛らしい笑顔を向けられる。
⋯本当にこの笑顔に弱いから、やめてほしい。
どくんどくん、と胸の鼓動が速くなるのがわかった。
『⋯大我くん、ありがとうございます』
「いいえ、こちらこそ。じゃ、気をつけて帰ってね。」
どんどん遠ざかっていく背中がもう恋しくて、
とても名残惜しい。
SixTONESのあの京本大我と遭遇すること自体奇跡なのに
あまりにも贅沢がすぎる
今日は間違いなく世界で一番幸せな日。
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作者名:美虎 | 作成日時:2022年8月24日 21時