積極的に ページ26
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京本大我 「これから雑誌の撮影。今はメンバーと楽屋待機中だよー。なんかあった?」
数分して返ってきたメッセージを見て、思わず一時停止する。
まさかこんな早く返ってくるとは思わなかったっていうのもそうだけど、この後どう返事しようか考えてなかった故にスマホを操作する指がぴたっと止まってしまった。
とはいえ、自分から連絡しておいて既読スルーは失礼だ。
大我くんとのトーク画面と睨めっこしながら、必死に打つ内容を考えていると
「なに、なんて送ったの」
ひょこ、と横から画面を覗いてきた結衣。
「今何してますか?って送ったのはいいけど、この後なんにも考えてなかったの。結衣、どうしよー」
「もういっその事、大胆にいっちゃえば?」
なんて言って、ニヤニヤした顔つきで私の二の腕の所を肘をつんつん、としてくる。
うん、結衣に聞いた私が悪かったかな
「もー結衣!絶対楽しんでるでしょ!」
「いやこんな状況誰でもある訳じゃないんだから、楽しむべきでしょうが!私も樹と繋がれないかなー」
ってタコみたいに口を尖らせてる結衣の方をチラッと見つつ、スルーしといた。
まあ、結衣が言う通りこんな状況誰でもある訳ではないのは一理あるし⋯
よし、こうなったら覚悟を決めよう。
「大我くん、会いたいです」
そう一言メッセージを送ると、なんだか恥ずかしくなってまたすぐにトーク画面を閉じる。
なんかほんとに、自分が自分じゃないみたい
恋愛経験皆無な自分にしてはかなり勇気を出したと方だと思う
だれか褒めて欲しいくらいだ。
だとしても、さすがに積極的すぎた?引かれちゃうかな?
でも会いたいのは事実だから、
少しは正直になっても、許されるよね?
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作者名:美虎 | 作成日時:2022年8月24日 21時