敬語 ページ18
.
「あ、それとタメ口でいいよ」
『え、でも』
「でもじゃないでーす、敬語で話したら俺怒るからね。」
『な、なにそれずるい』
「ふふ、やっと気づいた?」
俺結構ずるいんだ、ごめんね?って、かわいすぎやしませんか。
ほんとなんなんだ、この生き物。
やっとって言うかずっとずるいなって思ってました!
って言ったら、どんな反応するのかな?
まあ、言わないけど。
ていうか⋯、私が大我くんのファンってことを良いように利用してきた感あるな、この人。
『じゃあ、タメ口で話せるようにがんばりま⋯る』
「あはは、今危なかったね」
ああ、これは慣れるまで時間が掛かりそうだ。
⋯そういえば、さっき一瞬見せた切なそうな表情は何だったんだろう。
もしかしたら、私の勝手な勘違いかもしれないけど
でもどこか儚くて、目を離したら消えてしまそうなくらい。
あの表情が脳裏に焼き付いたように、ずっと頭から離れないでいた。
「Aちゃんって、今大学生?」
『う、うん!今大学3回生だよ』
「ふふ、ん、そっか。大学楽しい?」
『⋯まあ、それなりに?』
会話中、ちょこょこ敬語が出そうになって秒でタメ口に切り替えるけど大我くんには全部お見通しのようで、敬語で話そうとしてしまう度に、笑われる。
あー⋯、大我くん絶対楽しんでるな、これ。
ま、可愛いから許しちゃうんだけど。
『あ、そういえば大学の友達で結衣って子が居るんですけど』
その子の影響でSixTONES好きになったんです!と続けると、
「じゃあ、Aちゃんに俺たちを布教してくれた結衣ちゃんに感謝しなきゃだな」
なんて言って、また可愛らしい顔で笑った。
.
896人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:美虎 | 作成日時:2022年8月24日 21時