謝罪 ページ16
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2人きりになると流れる沈黙。
この後、どうすればいいの⋯。
気まずい、気まずすぎる。
とりあえずさっきの嘘について謝らないと。
そう思って、話出そうとした瞬間
「あれ、俺っていつからAちゃんのいとこになったんだっけ?」
先に口を開いたのは大我くんだった。
私より数cm背の高い大我くんを、恐る恐る見上げる
『あの、ごめんなさい!あんな嘘ついてしまって。』
「んふ、別に怒ってないよ?焦ってるAちゃんが面白くてちょっとからかってみた」
楽しそうににやついた表情を見て、少し安心する。
『もう、からかわないでください!』
「はー⋯、おもろいね。店長さん?も普通に信じちゃうしさ」
『いや本当ですよ!流石にバレると思ったのに⋯』
先程の光景を思い出すと、段々笑えてきてお互い顔を見合せながら笑った。
いや待てよ、そういえばなんで大我くんがここにいるの?
SixTONESでご飯とか言ってなかった?
『あの⋯大我くんはどうしてここに?』
「Aちゃんを迎えに来た。こんな時間に女の子ひとりとか危ないじゃん?」
なんて、おどけたように首を傾けてる
かわいい⋯、じゃなくて!
さっき買い物しに来た時はそんな素振りなかったし、私たちそんな仲でもないのに⋯。
『大我くんと居られるのは嬉しいけど、でもやっぱり悪いです。それにメンバーとご飯の予定だったんじゃ⋯。」
『うん、まだみんな一緒にいると思うよ。俺はAちゃん迎えに行くからって、抜けてきたけど。』
『ええ、何でですか。⋯ほんとに申し訳ない⋯。』
うなだれる私を見ては、ふはっと吹き出す大我くん
「もー、ごちゃごちゃ気にしない。ほら、Aちゃんの家行くよ」
有無を言わせないとばかりに、私の先を歩き出したから慌ててその背中について行った。
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作者名:美虎 | 作成日時:2022年8月24日 21時