嘘 ページ15
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コンビニを出てすぐ、店長の車が駐車してあるコンビニの裏の駐車場に向かおうした時、
「あ!Aちゃん、お疲れ様。」
『⋯えっ?』
聞き覚えのある声にぴたり、と足を止めた
振り向くとそこには、4時間前に会ったはずの大我くんの姿があった。
「Aちゃんそちらの方は?」
『あ、えと、⋯あ、いとこのお兄ちゃんです!』
「あらそうなの?」
、
馬鹿正直にSixTONESの京本大我です!なんて言ったら、バレてしまうと咄嗟についた嘘。
ごめんなさい⋯、という反省を含めた目で大我くんを見るとぱちっとばっちり目が合う。
「⋯いつもAがお世話になってます。」
「いえいえ、Aちゃんよく働いてくれてますよ」
わたしの突飛な嘘に合わせてくれた大我くん。
しっかり店長も信じ込んでいるみたいだ。
てか、店長。大我くんにあんまり私のこと言わないでください恥ずかしすぎる⋯。
いやほら、実際はいとこなんかじゃなくてあの京本大我だから!
「そしたらAちゃん、お兄さんに送ってって貰う?」
『⋯あ、えっと⋯。』
やばい、どうしよう。
まさかの展開すぎるんですが。
返答に迷っていると、目の前の大我くんに腕を掴まれ引き寄せられる。
「俺送っていきます!お気遣いありがとうございます。」
「ほら、A帰ろう?」
初めてのあまりにも近い距離と、唐突な呼び捨てにドキドキしながら、こくんこくん、と必死に頭を上下に振ることしかできてなくて。
『⋯あ、じゃあ店長お疲れ様です』
「お疲れ様!気をつけて帰るのよー」
笑顔で手を振る店長にすかさず私も手を振り返すと
店長は駐車場に消えていってしまった。
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作者名:美虎 | 作成日時:2022年8月24日 21時