再び ページ12
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「ま、Aちゃん可愛いしすぐできるわよ。まだまだ人生長いからそう焦らずね」
「あはは、そうですかね?」
優しい店長の励ましが心に染みる、なんて思っていると入店音が鳴り響いた。
あ、お客さんきちゃった
慌てて店長から離れて、レジの前に立つ
ふと時計を見るともう20時。
もう2時間も経ってたのかー⋯。
そんなことをひとり思っていると、目の前に置かれた買い物カゴ。
『いらっしゃいませ!』
お仕事モードに切りかえ、商品をバーコードリーダーに通そうとした時、
「あれ、Aちゃん?だっけ」
『⋯へ。』
不意に名前を呼ばれ、顔を覗き込まれるとビックリしてパッと素早く顔を後ろに引く。
「あ、やっぱそうだ。2日ぶり?」
『⋯え、大我くん!?』
思いもよらない2回目の遭遇に思わず大きな声を出してしまった。
他にお客さんがいなくてよかった
いやそんなことより、なんでいるの⋯。
今日もまたラフな格好だけど、バケハは被ってなくて綺麗な金色の髪がよく見える。
「ふふ、ほんといい反応するよね」
『や、そりゃ⋯まさか2回も会えるなんて』
すごい偶然だよね、って楽しそうに笑うからずるい
「へえ、ここで働いてんだ」
「ああ、実は撮影終わりでさ。これからメンバーとご飯なんだよね。樹たちにお使い頼まれて」
お使いだって⋯、かわいい
ていうか、そんなプラベ事情をこんなにも簡単に知れてしまっていいのか⋯。
一瞬、カゴの中に入っている商品に目を移すとお酒やらおつまみの姿。
これは⋯あれだ、宅飲みってやつだ。
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作者名:美虎 | 作成日時:2022年8月24日 21時