face 9 ページ9
午後の授業は受ける気がしなかった
教室に行ってもユナもジョンインもいないし。
こうなったら初サボリしちゃおうかな…
一人ぐらいサボったってばれないよね…
そう思い空き教室に歩を進めると
先客がいたみたいだ。
中を覗くと高そうなコートを羽織った男の人がいた
「…誰だ」
気配を感じ取ったのかその人はこちらを振り向いた
でもわたしはその顔を見た瞬間
誰か聞かなくてもわかった。
「ホンビンさん！会いたかった！」
おもむろに抱きつくとホンビンさんの体がこわばった
そっと顔を見上げると怪訝そうな顔をしたホンビンさんがちっと舌打ちした。
「…お前誰だよ、離せ」
低い声で言うとわたしを突き飛ばした
「…たくっ、俺なんでここにいんのかわかんねぇし、お前誰？ここってどこ？」
ホンビンさんの声なんて聞こえない
ただ突き飛ばされたことが悲しくて、不恰好な嗚咽を上げるだけだった。
「…おい、女。ブサイクな顔してないで早く教えろよ。」
さっきとはまるで違う声と表情と態度。
信じられないという思いで見つめた。
「…はぁ、使えねえな。名前何？」
「…A」
わたしが名前を言うと少し驚いたように、こちらを見つめるホンビンさん。
心なしか…メイクしてるような？
「…なんか聞いたことある気がする名前だな…まぁいいや、てかなんでお前俺のことホンビンっていうんだ？俺はビナだ」
え。間違いない。ホンビンさんのはずなのに…
どこがビナなのよ。
「…ホンビンさんに間違いない！さっきと服装も髪型も口調だって違うけど！なんで急に冷たくするの？ホンビンさんのこと好きだって言ったのに！やっぱり子供だからって嫌になった？」
「さっきからなんの話してんだよ、、まずホンビンさんって誰だよ？勘違いならやめてくれよ、、女から抱きつかれるなんて言語道断だ。」
人が変わったようなホンビンさんにただただ呆然とするしかなかった…
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作者名：プディン | 作成日時：2016年7月2日 12時
