spare～もう一つの顔～ (ページ13)

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そのまま昨日はお互い何も話さず無言で帰った。
ホンビンさんが何を考えてるのかわからなくて

ただなぜか胸が痛い気持ちを抑えて、バイバイと一言だけ呟いて帰ったんだ。

翌朝学校へ行くと、ユナとジョンインは相変わらず楽しそうに話していた。

その輪に入ってもいいかな…
不安になって近寄るのをためらっていると

「A！今日遅くね？またノート見せてくれよ、俺頭悪いからさ」

「A、仕方ないから見せてあげて、ほんとに頭悪いどころじゃないわ。」

いつも通りの笑顔で、いつも通りの話し方で、普通に話しかけてくるから。

一瞬、怖いって思っちゃった。

「ジョンイン…ユナ…。もう怒ってないの？」

わたしの言葉にふたりは顔を見合わせる
そして2秒ぐらい経って、プッと同時に吹き出した。

「A、気にしなくていいのよ、ジョンインはどうであれわたし怒ってないから。ジョンインもかっとなっちゃっただけ」

「そーだよ、俺も言い方悪かったと思うから…反省してる。だから、そんな泣きそうな顔すんなよ」

また優しく二人が微笑んでくれるから。
あったかい雫が溢れて溢れて止まらないんだよ

「うぅえええん、ありがどー」

感極まって二人に抱きついた。
ふたりは戸惑いながらも抱きとめてくれて、呆れたような顔をしてこちらを見た。

「そんなに泣かれたら…なんか、悪いことしてるみたいじゃん、ほら、泣き止め、お前は笑顔が似合うんだから。」

「困った子だわ…わたしがあれぐらいであんたを嫌いになるわけないじゃん。」

頭を撫でる心地よい感覚に、ぎゅっと目をつぶって嬉しさに耐える

みんなと仲直りできてよかった…

「ところで…あの後、ホンビンさんと帰ったんだよな？どうだったの？なんか進展は？」

ジョンインは不安そうな顔で、ユナは興味津々な顔で聞いてくる

「送ってくれたよ、普通に…でも、ホンビンさんにそっくりな人に学校であってさ、そのこと話したら、ホンビンさん、急に冷たくなっちゃって…そのまま何も言わずに別れたから…」

思い出すと瞳が潤んでくる。
ホンビンさん…嫌いになっちゃやだよ…

「なんでか、理由は聞かなかったの？」

ユナが優しい声で聞いてくる。
聞けなかった、わたしだって聞きたかったけど…

「…聞いてさらに嫌われたらどうしようって思ったら…聴けなかった…」

泣き続けるわたしをジョンインは
不機嫌な様子で見ていた。