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「行くなって何？好きだって何？っ…」
「…今更こんなこと言うの許してよ。俺最近気づいたんだよ、この想いに。」
「許すも何も…受け取るつもりなんてないわ。あなたのこと、わたし何も知らないもの。」
「なら…知って。たくさんたくさん俺のこと知ってから…俺の言葉を受け取ってよ。」
ぎゅっと握られた手に、じっと見つめられる目。
逸らせない。
どうしてなの…前にもこんな風に誰かに強く見つめられた。
どうすればいいのかわからない。
覚えていないからこの人を傷つけるだけかもしれないのに…
「…無理よ。仲良くなるつもりなんてない、あなたはなんだか怖いから…」
失望したように瞳の奥が黒くなるのがわかる。
…傷つけて苦しいなんて、おかしいはずなのに…
ううん、ただ泣きそうな顔を見たくないだけよ。
「…怖いか。そうだよな、知らない奴に手握られていきなり告白されるんだもんな。」
「…ごめんなさいっ…」
「謝るなよ、俺が虚しくなるじゃん。」
何も覚えてない人に、わたしはなんで謝ってるの…
わからない、そうだ、ベクとか、他の人に聞いてみればわかるかも。
「告白は受けられなくても、思い出す努力はする…あの、好きになってくれて…」
「だからもういいって。いいよ、思い出さなくても。お前はずっと俺なんて嫌いだったんだから。」
最初とは違うひどく冷めた目。
わたしが傷つけたからなのに、そんな態度を取る彼を見て腹が立った。
「っ…そう！わかったわよ！
あなたのことなんて一生思い出さない！」
ニコリともしないで、出ていった彼。
そうよ、あんなひと。
わたしが思い出す必要ないじゃない。
「ヌナ！！目覚めたって聞いたよ！！って…ヌナ？？」
突然入ってくる元気いっぱいの人。
ベクだ、ベク、わたしなぜかわからないけど、胸がぽっかり空いてる気がするの。
「…なんで泣いてるの？まだどっか痛い？嫌なこと思い出した？」
「違うっ…全部違うっ…あんな人なんて、わたし知らないわっ…」
そうよ、何も覚えてないはずなのに、どこで見たはずの冷たい顔が頭から消えない。
知らない、そう繰り返すほど頭が痛くなってくるの。
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プディン(プロフ) - ライオンさんさん» ご感想ありがとうございます！大好きと言っていただけるなんて…本当に嬉しいです！更新頑張りますので、これからも応援していただけると嬉しいです。 (2018年3月10日 18時) (
レス) id: 04970d848d (このIDを非表示/違反報告)
ライオンさん - この様な小説大好きです！これからも更新頑張ってくださいね！ (2018年2月8日 18時) (レス) id: 163b1cba9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プディン | 作成日時：2017年8月13日 15時
