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「っ…チャニョル！」
勢いよく目が覚めた瞬間、涙がほおを伝ってるのがわかった。
「A…？Aっ…！！！」
安心したように泣いた声で叫ぶ誰か、
ううん、知ってるはずなのに、なぜわからないの。
チャニョル…チャニョル…
怖い。なぜわたしは何もわからないの。
「…チャニョル…嫌。怖い…なんで…」
ちゃんとした言葉が出ない。
頭を少し横に動かすと、涙を流しながらこちらを見つめる男の人。
わたしより若干…年下なのかしら。
なぜそんな切ない顔でわたしを見るの。
「っ…A…起きてすぐこんなこと言いたくないけど…チャニョリヒョンはっ…」
「言わないで！！あなた、チャニョルのこと知ってるんでしょう？なら、わざわざそんな言葉っ…口出さないで！」
「…おい、あなたってなんだよ…長く眠りすぎて頭がおかしくなったのか？」
「…失礼な人。頭なんておかしくなってないわ、チャニョルっ…チャニョルに会いたいっ…」
動かない体を動かそうとして、全身に痛みが走る。
…わかってるのに。
もうチャニョルはいないこと、わかってるのに
今すぐ全部忘れてチャニョルのところに行きたい。
「…A、わかるだろ？俺の名前…呼べよ！！早く！」
「あなたっ…なんでそんな泣きそうなのっ…わからないわ！初めて見るもの！」
「…何言ってんだよ…ニョリヒョンのことは覚えてて…なんで俺のことは忘れてんだよ…」
どうしてわたしの肩をつかむ力がそんなに強いの。
何が悲しいの？わたしが覚えていないって何？
あなたは最初から、私の記憶のどこにもいないのに。
「…チャニョルに会いたい。わたしはあなたのこと…何ひとつわからないわ。」
「嘘だろ！お前…あれだけ長く過ごして、忘れましたの一言じゃ許さねえぞ！」
「…過ごしたって何？あなたはわたしの何？どうしてそんな泣きそうな顔で見つめるの…やめて。」
だんだんと弱まる手の力と同時に、目の前の男の人の顔も悲壮になっていく。
…悲しいの？わたしも悲しいわ。
ごめんね、何も覚えていなくて。
「…好きだ、だから行かないでくれっ…」
「っ…え？」
そう呟いた彼は苦しそうだった。
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プディン(プロフ) - ライオンさんさん» ご感想ありがとうございます！大好きと言っていただけるなんて…本当に嬉しいです！更新頑張りますので、これからも応援していただけると嬉しいです。 (2018年3月10日 18時) (
レス) id: 04970d848d (このIDを非表示/違反報告)
ライオンさん - この様な小説大好きです！これからも更新頑張ってくださいね！ (2018年2月8日 18時) (レス) id: 163b1cba9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プディン | 作成日時：2017年8月13日 15時
