【WT】ようこそ、館へ。

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side you

？｢ねぇ、ここでなにしてるの？｣

その声が怒っているように聞こえるのは気のせいだろうか。いや、気のせいだと思いたい。

恐る恐る後ろを振り返ると、さっきそこにあったパンダの人形と同じやつを胸に抱いている、とんでもない美形のパンダパーカーの男の人がじっとこっちを見ていた。

『え、いや、えっと！！』

怒っている様子なのでなんとか言い訳をしようと考えたけど、なんにも思いつかず、変な言葉を3つ並べただけになってしまった。

？｢えっと、じゃないでしょ。｣

パンダパーカー(次から略してパンパカ)さんが、可愛らしい見た目とは裏腹に低い声かつ強い口調で話しかけてくる。

あ、これふざけられないやつだ。

そう思ったら体が震えて、何も言葉が出なくなった。

パンパカ？｢だれに許可とってここにいんの？｣

『ぶるーくさん、とはぐれてしまって！』

ここで嘘をつくと、もっとやばいことになる気がして正直にぶるーくさんとはぐれたことを伝えると、顔をものすごく歪めた。

あ、やばい。おわった。やらかした。

本能的にそれを感じ、これから浴びせられる言葉に耐えるために目を瞑った。

パンパカ？｢何言ってんの君。もしかして新人？｣

はい、右も左もなんなら上も下も分からない新人らしいです。

パンパカ？｢新人だか、なんなのか知らないんけど、お前にとってぶるーくのことは簡単にさん付けで呼んでいいような存在じゃない。もちろん、俺とあいつらも含めて。｣

だって、なんて呼んでいいのかわからなかった。

パンパカ？｢なんて呼んだらいいかわからないって思うんだったら相当な馬鹿だよね。見たらわかるじゃん。俺たちはお前らよりも身分が格上なんだよ。｣

そんなこと、わからない。だって私は馬鹿だから。

パンパカ？｢お前は俺らに゛雇われてる゛だけの存在なんだよ。ここで働くのにお前のような馬鹿はいらないんだよ。むかつく。目障り。｣

ごめんなさい。ごめんなさい。むかつかせてごめんなさい。目障りでごめんなさい。

パンパカ？｢それともなに？誰かに許可貰ってさん付けしてる訳？それなら誰？メイド？ぶるーく？それともシャナ？｣

ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。許可も貰えないような馬鹿でごめんなさい。

パンパカ？｢もし許可貰ってんだとしても俺の前では絶対にぶるーくさんって呼ぶな。いらいらする。｣

いらいらさせてごめんなさい。生きててごめんなさい。

ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。

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