☆…☆66☆…☆ ページ36
流星くんは「気にしたままでもいい」って言ったけど、それはよくないって思ってる。
だって私は海を見る度に思い出すよ。
もう"翔くん"はいないって分かってるのに、そこかしこに探してしまう。
そんなのよくないよ………。
でも、どうやって……どうやってキミを過去にすればいいの。
私はこの広い海で溺れている。
重「Aちゃーーーん!!」
キミはいつも溺れている私を助けてくれるんだ。
重「何してんの?珍しいな〜。海岸に来るなんて…いつも防波堤から見てるやん…海。」
『ねぇ。人ってね、声から忘れていくんだよ。その次が顔。その後が思い出……』
重「突然何言い出すねん(笑)」
『逆に匂いはよく覚えてるんだって…』
最初は笑いながら話を聞いていた大毅も私の真剣なトーンにつられてか笑わなくなった。
『鮮明に覚えてる。声も、顔も、思い出も、匂いも。けどさ、そんな風に言ったら翔くん"重い女だな"って笑うかな……?』
ごめん…大毅……本当は大毅にこんな事言うべきじゃないんだよね……
わかってるんだよ。
けど、この想いを1人で抱えることができない。
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作者名:ももたろう | 作成日時:2017年2月21日 16時