10*私を拾ったのは、 ページ10
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YG「好きならさっさと告えばいいんじゃねぇの」
投げやりなその言葉に、胸が痛む。
……そんなの言えるわけないでしょ
じわ…、と涙で歪む視界の中で
ユンギさんが私の顎を掬った。
YG「仮にお前がテヒョンの2番目だとして、それなら俺はお前の2番目の男になってやってもいいけど?」
挑発的に微笑みながら
その冷めた瞳に私を映す。
…何それ。
そう思うけど口に出さない。
YG「余計なこと考えなくていいんじゃねーの。ギブアンドテイクってことで」
「…ユンギさんが私の2番目?」
YG「この前も今日もこうなるって分かってて来たんだろ」
私を手をソファに縫い付ける彼を
私も笑みを貼り付けて見上げる。
テヒョン以外の人も愛も要らない
でも、目の前の彼から逃げるには遅過ぎた
「…悪くないかもね」
この言葉だけは嘘じゃなかった。
それを見抜いてるユンギさんの瞳が細まる。
あぁ、本当。のらりくらりと生きる猫みたい
ユンギさんの白い指先が
私の唇をそっ、となぞる。
YG「…お前、いま何考えてんの?」
「ユンギさんって猫に似てるなって」
YG「またそれかよ。意味わかんね」
はぁ、と溜息混じりに私を見下ろす
冷たくて透き通るような黒い瞳。
……テヒョンの無邪気な目とは違う。
考えが読めないのに見つめられると吸い込まれそう。
YG「俺からすればお前の方が猫。」
「…野良猫?」
YG「拾ってやったんだから感謝しろよ」
「ユンギさんが勝手に拾ったくせに…」
YG「ついて来たのは、お前の意思。」
もう本当、減らず口だ。
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作者名:ただのルート | 作成日時:2024年2月28日 23時