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、
会計を済ませて彼が呼んだタクシーに乗り込み、
高そうなマンションの一室に2人で入る。
嘘かどうか分からない彼の誘いに乗ったのは、
単なる気まぐれもあるけど
…テヒョンへの当てつけだったのかもしれない。
テヒョンを愛しているのは、本当。
だけど私を愛してくれないテヒョンに、
心の奥底でずっと苛立ってたのかもしれない
………最低？
それでも、私は構わない。
部屋に入ってすぐ電気も付けず、
薄暗い部屋の中で突然頬にキスをされる。
「……急に？」
YG「そのつもりで付いて来たんじゃねーの」
「そうだけど…、」
いつの間にか腰に手が回っていて、
私もそれに倣うように彼の首に手を回す。
カーテンが開いてる所為で中途半端な暗さの部屋で
彼のその、ほんのり赤い唇を見つめた。
YG「…何だよ」
「…別に。何で睨まれてるの、私」
YG「お前がガン飛ばすから。」
「飛ばしてませんけど？」
YG「あっそ」
どうでもいいなら無駄に喧嘩売らないでよ。
彼の態度を見て改めてそう思う。
私の言葉に興味なさそうにして、
雑にキスで黙らせてくるから眉根を寄せる。
自分勝手で一方的なキスだ。
……テヒョンとは大違い。
「(こんな時にまで''テヒョン''って…、何なの)」
自分が惨めすぎてもう笑えてくる。
そんな私を怪訝そうに見つめる2つの瞳。
YG「…あ？何こんな時に笑ってんだよ」
「いちいち突っかかってこないで。」
YG「俺は元々これが普通なんだけど？」
「嘘でしょ……？」
YG「つーか、俺に集中してないお前が悪い」
「暴論…っ！」
言い返そうとした隙を突くように
口内に入ってくる舌先。
ほんのり苦いのはさっきのアルコールの所為か、
少しだけ眩暈がした。
YG「……その顔、最高。」
キスに溺れながら涙目で彼を睨む私を、
彼は満足げに笑って見下ろしていた。
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作者名：ただのルート
| 作成日時：2024年2月28日 23時
