19*執着してるのはだれ ページ19
、
最近になって分からなくなってきた
私のテヒョンへの気持ちは本当に恋?…それとも執着?
TH「……あ。」
「テヒョ、ン……」
何でこのタイミングで会うんだろう。
エレベーターを待っていたテヒョンが私を見つけて、その端正な顔を歪めた。その表情に隠れた感情は、何?
ここで避けることもしたくないから、私も彼の隣に立つ。
TH「…久しぶり」
「そうだね。」
テヒョン、ってこんな目をしてた?
思い出そうとしてもユンギさんの黒い瞳ばかり頭に浮かんで、テヒョンがどんな目で私を見てたか分からない
空っぽな瞳で笑みを作るテヒョンから視線を外すと、テヒョンの息が掠れたのが伝わった
TH「最近は俺以外の男と仲良くやってるの?」
私たちの間に流れる沈黙を破る一言に、目を見張る。
テヒョンは怖いほど綺麗な顔を真っ直ぐ私に向けていた。
感情なんて読み取れない無表情に足が少し、震えた。
「……テヒョンこそ、ジウさんと仲良いらしいけど。」
TH「あれ、やきもち?」
「まさか。」
無邪気に顔を覗き込んでくる彼から顔を逸らす。
嫉妬なんて可愛いものじゃない。ただ、苛立ってるだけ。
今更期待させてくるテヒョンに苛立ちが隠せない。…そういう甘い態度はもっと前に見せてよ。
「テヒョンは、テヒョンのことを好きじゃない私が気に入ってたんでしょう?」
無理に口角を上げて言葉を吐き出す。
あぁ、黒くて汚い感情が仕舞えない。
「……テヒョンのこと好きじゃないのに嫉妬とか、するわけないでしょ」
彼がどんな顔をしているか見たくなくて踵を返す。
テヒョンは、追いかけてこなかった。
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作者名:ただのルート | 作成日時:2024年2月28日 23時