14*狡い人 ページ14
、
何でそんな顔、するの。
詮索するなって突き放したのはそっちでしょ。
そう思うのに、何も言えない。
だけど知らないふりをして出ても行けない。
その場から動けない私をユンギさんは
静かに見つめた後、目を逸らして口を開いた。
YG「……何でそんな顔すんだよ」
「………そんな、って」
YG「鏡で見てくれば?」
「そんな言い方しかできないの?」
それはお互いさまなんだろう。
本心はなるべく見せたくないし、捻くれた言い方しか、できない
自分を見せて拒否されるより最初から壁を作って心を見せない
そうすれば傷つかなくて済むと
彼も私も、きっと知ってるからだ。
YG「…もういいわ。帰るんなら帰れ」
「言われなくても帰ります」
YG「一応、言っておくけど」
「………」
YG「お互い詮索するのは無しな。俺もテヒョンについて聞かない、それでいいだろ」
…なんだ、気づいてたのか。
私がどのタイミングで機嫌悪くなったのか。
何にも興味なさそうで何も見てないようなのに
相手の表情の変化は読み取ってるんだ。
彼らしいというか、なんと言うか。
「分かりました、じゃあそれで。」
YG「あぁ」
「……私、さっきどんな顔してました?」
YG「なんか眉顰めて睨んでた。」
嘘でしょ、そんな顔してた?
ユンギさんが適当に言ったんじゃなくて?
「嘘だ………」
YG「ここで嘘言って意味あんのかよ」
「………」
YG「で、いつまでそこで突っ立っての」
「…はいはい、帰ればいいんでしょ」
部屋のドアを開けた瞬間、閉められる。
それをした犯人は背後にいる彼しかいない。
YG「帰れとは言ってないけど?」
「さっき言った」
YG「お前が自分の意思で帰るならって意味な」
「屁理屈…っ!」
YG「帰るか残るか、どっち。」
何で私を試すようなこと、言うの。
「残ってあげても良いですけど」
YG「上からだな、ほんと」
もう、なんか狡い。この人。
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作者名:ただのルート | 作成日時:2024年2月28日 23時