126.モブだって勇気は使い切る勢いで ページ44
、
ー赤葦side
『音駒の男の先輩と付き合ってるって本当なの?』
「(……………ああ、黒尾さんか。)」
昼休み早々の問い詰められたソレ。まさか1日であの恐ろしい嘘が広まるとは思わず、直様後悔した。
告白してきた相手がAじゃないからって黒尾さんとの嘘を捏造したのは失敗だったか。
(……さて、どうするか)
ここでそれを認めれば多分大抵の人は諦める。
俺はA以外の女子は眼中にないからそれでもいいか、なんて。
ーーーー…俺をオトしたのは倉庫で跳び箱に叫んでたA。それ以外は、いらない。
「…あぁ、本当ーー「付き合ってないです」」
肯定の言葉を搔き消したのはいつの間にか俺の前に立ちはだかる、
「付き合ってないです。赤葦と、黒尾さん」
俺をオトした、A。
……素直に、予想外だった。Aは憧れを叫んでいてもモブに徹していて。
『な、何でそんな事わかるの?』
「え…赤葦はロング髪じゃないので」
「(…理由になってないだろそれは)」
内心、冷静にツッコミを入れるとAが突如バッ!!!と俺を守るように手を広げる。
「それと、」
真っ直ぐな声が落ちる
「…赤葦京治は、私の恋人です。赤葦と付き合ってるのは私ですッ!!!」
俺を誰にも渡さない、って顔をするAは
とっくにモブに徹することはやめていた。
.
「…文句は受け付けません、以上。」
多分色々限界が来てるんだろうな、と思う俺の前に立ちはだかるAを
後ろから、見せつけるように抱き寄せる。
・
「……は、ちょっ………!!」
「黒尾さんとは付き合ってませんよ」
「ちょっ……!!」
「こんなに格好良くて可愛くて仕方ない彼女がいるんですから。」
ふっ、と俺は口角を態とらしく上げてポーカーフェイスを崩す。
「そういう事なので失礼します」
くれぐれもAに勝てるなんて思わないでくださいね、と付け足して。
1758人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
七桜(プロフ) - どうしよう、票入れたいのに819だから入れにくい・・・!入れたいのに!! (3月21日 11時) (レス) @page50 id: 225d8f1490 (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - 素敵な作品でした…山田ちゃん、気付いてないだろうけど、この小説では君、ちゃんと主人公だよ…… (2022年1月27日 17時) (レス) @page49 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
おっふ - 私が言えることはただ一つ。この作品クオリティやばい。 (2020年1月12日 22時) (レス) id: f0059e6ce4 (このIDを非表示/違反報告)
モンブラン - ヤバイです赤葦さんがヤバイですマジでヤバイですヤバイしか出てきませんヤバイですマジで凄いヤバイ萌えますマジ神作です赤葦さんの話、もっと作ってくれないでしょうか? (2019年8月19日 22時) (レス) id: 4e49721770 (このIDを非表示/違反報告)
蒼音イオ(プロフ) - 全部読み返してたら遅くなっちゃった() この作品に出会って諦めかけてた小説を書く気力をもらいました るとちゃんに感謝!!遅くなったけど完結おめでとう!! (2019年8月13日 9時) (レス) id: 0a2747c984 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ただのルート | 作成日時:2019年6月21日 18時