123.モブだって常に全力だ ページ41
、
「ていうか何でいるの」
「用事があっただけ」
「あぁそう。……で、この腕は何かな」
私の腕をガッシリ掴んだままの赤葦の手。
本当に何だこの手は。指長いなオイ。
「……さぁな」
「今更離したって意味ないんですけど」
パッと私の腕を解放してそっぽ向く赤葦の流れる動きは見習いたい。…何だその自然さ。
「…5限の時にやめるだの言ってたでしょうが。なら今の何かな、赤葦くん?」
少し片眉を上げつつ赤葦を見上げると、変わらず無表情のまま赤葦は。
「……黒尾さんが近くて嫉妬した。って言ったらどうするの、Aは」
赤葦は私のリボンタイを指で遊びつつ、背を屈めて私と視線を合わせた。
「…え、意味がわからない。こういうのを含めてやめるって言ったんだよね?」
「そのつもりだったんだけど、……実際誰かに取られそうになると無理だったな。」
リボンタイをくいっ、と指で引っぱられて
一歩、足を前に踏み出せば。
「─────…Aを好きでいるのも、Aに関わらないのもやめられないよ、俺は」
綺麗な微笑を携える赤葦が「だけど、」と続けた
「Aがやめてって言うならやめるけど」
「…実は屋上でも「やめないで!」って引き止めてほしかったとか?」
「否定はしない。で、どうするんだよ」
確信犯のその顔は「私を好きでいるのをやめてあげない」って顔をしてる。
つまり、私の答えを知ってるわけで。
ぽすんっと赤葦の胸板に顔を埋めて口にする。
.
「……やめないで、好きでいてよ」
「…よくできました」
完全に無表情を壊した赤葦に瞬時に抱き寄せられる。……多分ハグするの、スタンバってたな。
「モテ男め…」
「何怒ってるんだよ」
「キュンとしてるんだよバーカ」
「…えっ」
124.モブだってモテ男に落ちていた→←122.モブだって名字呼びすら地味に戸惑う
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七桜(プロフ) - どうしよう、票入れたいのに819だから入れにくい・・・!入れたいのに!! (3月21日 11時) (レス) @page50 id: 225d8f1490 (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - 素敵な作品でした…山田ちゃん、気付いてないだろうけど、この小説では君、ちゃんと主人公だよ…… (2022年1月27日 17時) (レス) @page49 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
おっふ - 私が言えることはただ一つ。この作品クオリティやばい。 (2020年1月12日 22時) (レス) id: f0059e6ce4 (このIDを非表示/違反報告)
モンブラン - ヤバイです赤葦さんがヤバイですマジでヤバイですヤバイしか出てきませんヤバイですマジで凄いヤバイ萌えますマジ神作です赤葦さんの話、もっと作ってくれないでしょうか? (2019年8月19日 22時) (レス) id: 4e49721770 (このIDを非表示/違反報告)
蒼音イオ(プロフ) - 全部読み返してたら遅くなっちゃった() この作品に出会って諦めかけてた小説を書く気力をもらいました るとちゃんに感謝!!遅くなったけど完結おめでとう!! (2019年8月13日 9時) (レス) id: 0a2747c984 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ただのルート | 作成日時:2019年6月21日 18時