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122.モブだって名字呼びすら地味に戸惑う ページ40















赤葦を空気だと思い込みつつ孤爪とゲームに必死なる私の頭に、ふとのしかかる腕。















「……何ですか黒尾さん」




「お宅のセッター何とかしろよ」




「今は無理ですね私の精神的にも」




「根性見せるときだ、ファイティン」
















この上なく軽い励ましを受けてどうしろと。




大体私だって気まずさ無視できる鈍感さは備わってないし、鈍感さはヒロインのみの特性だ。


















「いいから早く赤葦の不機嫌さを何とかしろよ」

















その不機嫌の理由は私だと思うけど黙っとく。

















そういえば5限のやめる云々は何なんだろうか。私を好きでいるのをやめる、ってことだろうか。









ーーーー…え、そっちの警戒心どうのこうのの勘違いで?勝手にモブの人生やら壊しといて……!?





















「…何でお前まで不機嫌になってんだ」




「……すみません、つい。」




「まぁいつもそんな顔してるしいいんじゃねぇの」




「事実ですけど腹立ちますね」




















その前に黒尾さんはいつまで私に腕を乗せてるんだろう。





最早会話内容よりそっちのが気になっている。






と、

















「…すみません、黒尾さん。そろそろ帰りますね」




「おー、そうか。え、そいつも?」




「同じ方向なのでついでです」



















やっぱりワガママな赤葦に気づけば腕を引かれて



ふ、と後ろを向けば



















「…………頑張りなよ、山田さん」


















小さく口角を上げてそう言葉にした孤爪に、





















『久々に名字で呼ばれた…』という感想が赤葦に腕を引かれたままの私の頭に浮かんだ。






激励の意味に気付いたのは割と後だった。

123.モブだって常に全力だ→←121.モテ男だって働け防衛本能



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七桜(プロフ) - どうしよう、票入れたいのに819だから入れにくい・・・!入れたいのに!! (3月21日 11時) (レス) @page50 id: 225d8f1490 (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - 素敵な作品でした…山田ちゃん、気付いてないだろうけど、この小説では君、ちゃんと主人公だよ…… (2022年1月27日 17時) (レス) @page49 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
おっふ - 私が言えることはただ一つ。この作品クオリティやばい。 (2020年1月12日 22時) (レス) id: f0059e6ce4 (このIDを非表示/違反報告)
モンブラン - ヤバイです赤葦さんがヤバイですマジでヤバイですヤバイしか出てきませんヤバイですマジで凄いヤバイ萌えますマジ神作です赤葦さんの話、もっと作ってくれないでしょうか? (2019年8月19日 22時) (レス) id: 4e49721770 (このIDを非表示/違反報告)
蒼音イオ(プロフ) - 全部読み返してたら遅くなっちゃった() この作品に出会って諦めかけてた小説を書く気力をもらいました るとちゃんに感謝!!遅くなったけど完結おめでとう!! (2019年8月13日 9時) (レス) id: 0a2747c984 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ただのルート | 作成日時:2019年6月21日 18時

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