97.モブだって落ちる瞬間 ページ13
、
「ていうか今噛んだよね?噛みましたよね?」
「さぁ」
「すっとぼけんなモテ男」
「じゃあ確認しなよモブマネ」
くっ…、と悔しげに睨みつつ鎖骨をTシャツの上からなぞる。
何が腹立つって赤葦の顔が平然としてる事だ
「っだー、もうッ!戻るから!」
「ストップ。」
「何。今度は何ですか」
曲がり角を出て行こうとすると手首を後ろに引かれて、赤葦の元にカムバック。
「…逃がす気ないって言っただろ?」
瞬間。は、なんて無意識に息を吐く。
赤葦の妖しげな目から視線がそらせない。
……何でなの、逃げようと体が動かないのは。
どうして一瞬、逃げたくないって頭の片隅で思ったんだろうか。
.
「…赤、」
「あかーし何処行ったー!!?」
…木兎さんの遠慮知らずのバカでかい声量にビクついて、思わず赤葦の服の裾を握る。
「…赤葦、探されてる」
「たぶん体育館の外まで探しに来ないだろ」
「いや行ってあげなよ喧しいから。」
「俺が行ってもいいの?」
近距離でそう尋ねる赤葦は、ズルいと思う。
「……い、いい」
「…ちょっと迷ったな」
「迷ってなーーー…」
私の否定の言葉を遮るように、唇が押し当てられて
私たちの間にちゅ、とリップ音が鳴る。
「…は、」
…………何を、された?
キス、された。赤葦に。
そう気付くのに18秒かかった。
「…その顔、俺以外には見せないでよ。Aにみんな落ちるから」
いつもはポーカーフェイスを保つ赤葦が妖しく微笑む瞬間の破壊力は凄い。
その一瞬だけで、心臓に悪い。モブなんて落とすには十分だ。
「…わ、かった」
「よし。」
満足したのか、「先行くから」って私の頭を撫でて体育館に向かう赤葦。
ずるずるずる…とその場に座り込む。
「…あぁ、もう……………嘘でしょ。」
モテ男なんか好きになるつもり無かったのに
「(顔、熱い…)」
ヘルプミー、神様。
1758人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
七桜(プロフ) - どうしよう、票入れたいのに819だから入れにくい・・・!入れたいのに!! (3月21日 11時) (レス) @page50 id: 225d8f1490 (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - 素敵な作品でした…山田ちゃん、気付いてないだろうけど、この小説では君、ちゃんと主人公だよ…… (2022年1月27日 17時) (レス) @page49 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
おっふ - 私が言えることはただ一つ。この作品クオリティやばい。 (2020年1月12日 22時) (レス) id: f0059e6ce4 (このIDを非表示/違反報告)
モンブラン - ヤバイです赤葦さんがヤバイですマジでヤバイですヤバイしか出てきませんヤバイですマジで凄いヤバイ萌えますマジ神作です赤葦さんの話、もっと作ってくれないでしょうか? (2019年8月19日 22時) (レス) id: 4e49721770 (このIDを非表示/違反報告)
蒼音イオ(プロフ) - 全部読み返してたら遅くなっちゃった() この作品に出会って諦めかけてた小説を書く気力をもらいました るとちゃんに感謝!!遅くなったけど完結おめでとう!! (2019年8月13日 9時) (レス) id: 0a2747c984 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ただのルート | 作成日時:2019年6月21日 18時