93.モブだって常に有言実行 ページ9
、
「(……痛い、痛い痛い!!)」
「ねー、どうなの?」
ぐりぐり踏みにじられる足の甲。顔には出てないだろうけど内心爆裂ビンタをしたい気持ちで一杯。
甘いフェイスを武器に足を抉る勢いで踏む及川さんって悪魔なのかな、魔王かな。
「(そろそろ白状しなよ)」
「(だったら土下座して懇願するくらいしたらどうですか)」
「(ドSだねー)」
お前もな!って思いつつ作業を続けていると、
「…教えてよ、Aちゃん?」
「っ、」
そんなどこまでも甘く、低めの声が耳元でして
きゅっ、と眉根を寄せて振り向いたと同時
「配膳手伝わないなら席に着いてください」
「い''っった!!」
赤葦の声かけを合図に岩泉さんの拳が下された。
「ちょっ、岩ちゃん、俺今お喋り中ー…」
「お喋りなら花巻たちとやれクソ川」
「鉄拳の次は罵倒!!」
そう言って及川さんを連行する岩泉さん。私はあの人みたいに生きたい。
「朝から岩泉さんがイケメンすぎて辛い」
「岩泉さんタイプじゃないだろ」
「生き様がタイプだよ」
赤葦と2人で表情変えずに岩泉さんを尊敬して、それから手を動かす。
「手伝いに来てくれてありがとね」
「気にしないでいいよ。…どうせAに良い所見せたいっていう下心だから」
妖艶に笑って見せる赤葦に、ほんの少し目を奪われた。……本当に綺麗な顔よ。
味噌汁に視線を移して作業を続ければ、不意に横髪を耳にかける指。
「…何?」
「消毒。」
「消毒て。別に汚れてないよ」
「及川さんが近かったから」
あの人はバイキンか。
赤葦は普段通りのクールな顔を少し歪ませた。本当に僅かに。
「…何で怒り気味なの」
「隙多いよ、今日に限って。」
「あー…、」
「国見にあんな事されただろ」
またされたらどうするの。とか心配そうな、でも少し苛立ち気味な色で聞かれる。
.
「…その時は飛び膝蹴りで。」
「本当にやりそうだな」
「やるよ、及川さんでも。ただ赤葦は例外。」
「あぁそう……………え、」
「配膳宜しく」
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七桜(プロフ) - どうしよう、票入れたいのに819だから入れにくい・・・!入れたいのに!! (3月21日 11時) (レス) @page50 id: 225d8f1490 (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - 素敵な作品でした…山田ちゃん、気付いてないだろうけど、この小説では君、ちゃんと主人公だよ…… (2022年1月27日 17時) (レス) @page49 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
おっふ - 私が言えることはただ一つ。この作品クオリティやばい。 (2020年1月12日 22時) (レス) id: f0059e6ce4 (このIDを非表示/違反報告)
モンブラン - ヤバイです赤葦さんがヤバイですマジでヤバイですヤバイしか出てきませんヤバイですマジで凄いヤバイ萌えますマジ神作です赤葦さんの話、もっと作ってくれないでしょうか? (2019年8月19日 22時) (レス) id: 4e49721770 (このIDを非表示/違反報告)
蒼音イオ(プロフ) - 全部読み返してたら遅くなっちゃった() この作品に出会って諦めかけてた小説を書く気力をもらいました るとちゃんに感謝!!遅くなったけど完結おめでとう!! (2019年8月13日 9時) (レス) id: 0a2747c984 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ただのルート | 作成日時:2019年6月21日 18時