モブだって可愛いだろうが **

103.モブだって己に忠実に生きている ページ21

、











私の死んだ目と国見くんの目がバッチリ合う。



……もう何だこの後輩。
















「…それ脅迫」




「知ってます。告白も兼ねてるので喜ぶかと」




「何だと思ってんだ私を」




















『それでトキめいたらMじゃねえか』






言いかけたけどやめた。モブにもプライドやら羞恥心はある。





















「あー…」



「… 何ですか」



「考え中。」









「…………頭の回転、」


「普通だ普通。あとお前のせいだよ元凶」



















冷めた目で嘲笑う国見くんの胸倉をつかんで、


グイッと引き寄せる。


















「Aさ、ーーー…」


















唇が重なる距離までもう少し。



国見くんの期待した目が赤葦と被って懐かしい。



まぁ、














「…動かないで」



「……っ」
















(モブに期待するだけ無駄だけども)




















その次の瞬間、ガツンッッ！！！






鈍い音が医務室で響く。

















…………ごめん力加減間違えた。国見くんもそりゃ頭を抑えて座り込むよね。


















「…く、国見くん生きてる？」




「……何ですか今の。モブマネの愛情表現ですか凄い原始的ですね…」




「そんなになってもまだ言うか」


















木兎さんサーブ当たった時より涙目だ。




黙ってそれを悟り国見くんの前に座る。

















「…国見くん。バラしていいよ」



「…………バラすって殺…」



「そっちじゃないんだわ」













どんだけ物騒な世界線だおい。



流石にモブでもまだ生きていたいわボゲ。
















「さっきの、バラしていいよって話。だから私は国見くんと付き合わない」





「俺がAさんと顔面偏差値が合わないからですか？」





「あの……ど突かれ足りない？」















こちとら言葉選んでるのに自由か。




眉間にしわ寄せる私の頭を撫でる国見くん。





















「本当に俺が駄目な理由って、なに」



「敬語。敬語外してくる所」



「嘘言ったらまたキスしますよ」

















俺はそれでもいいけど、と真顔で言ってくる国見くん。私はよくない。

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