スガワラーやめます **

07.肉まんと目論見 ページ7

、








「田中渡せたよ！ありがとう、そしておかえりハゲ！」



「…お、俺はハゲじゃねえ…」



「まだ言うか」









前の休み時間に何やら部長さんにしこたま絞られたらしい田中は机に倒れ伏す。



その状態でもハゲを否定するあたり熱意を感じる。










「まぁ渡せてよかったじゃねーか。俺という尊い犠牲あってだけどな！」



「ありがとう仏よ」



「礼ならクッキーでいいぞ」







すっかり味を占めたらしい田中は



「女子のクッキー」の歌を歌ってる。



なんてゲンキンなんだろうか……哀れだ。








「クッキーねぇ…」


「おう！ノヤっさんと力にも分けなければ…！」








勝手に使命感に駆られてる田中を見ながら



『田中にはやらなくていいべ。な？』という



菅原さんの言葉を思い出す。









「…田中。ごめん、やっぱ取り消し」


「どういう意味だよ？」


「そのままの意味だわ」









言ったら田中の顔面が絶望に染まったので


私は肩をポン…と叩く。








「今日の帰り、肉まん奢るから。」



「…ならしょうがねぇ、手を打ってやろう！」



「よっ！流石だねスキンヘッド！」



「お前俺が部活終わるまで待ってろよ？」









そう念を押した田中は何か楽しそうだから


頷いておいた。

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