スガワラーやめます **

05.クッキーどうぞ？ ページ5

、






「何見てんだコラ？やんのかコラ？」


「田中。お前ちょっと来い」


「だ、大地さん…」










田中氏はアホらしい。部長さんに連行されてる。



……生きて会おう、ハゲ。









「…田中はそんな見なくていーの！」



「わ、菅原さん！」



「フルネームで呼ばれるからビックリした」









私を隠すみたいにして立ってる菅原さんに



田中を見てた目を手で覆われる。



今は私のがビックリです、菅原さん！










「く、クッキーどうぞ」



「…食べかけ？」



「田中が食べましたがお気になさらず。」









申し訳ない。でも今それしかない。明日また再チャレンジしよう……




そう決心する私の眼前には唇を尖らせて、クッキーをまじまじ見てる菅原さん。






い、言うんだ私。頑張れ田中の犠牲分も…！









「それ、ファンとしての差し入れじゃないです！！」




「え？」




「私が菅原さんにあげたくて渡しました！好きだから！」









1人の女子、北条Aとして好きな人に渡したかった。



ゆでダコみたいな顔の私を見て気づいたらしく



「そういうコトかー」なんて無邪気に笑い出す。









「違う違う。貰えたのは嬉しいべ」




「今、眉間にきゅーっと皺が…」




「それはファンの差し入れだから、じゃなくてAちゃんが田中にあげたのが、嫌だっただけ」









「言わせんなばかーっ」ってクッキーで楽しそうに笑う顔を隠す菅原さん。





期待、しそうになります菅原さん…！




正直な心臓はキュン！と高鳴った。

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