スガワラーやめます **

38.まだ？ ページ38

、








岩泉さんの素っ頓狂な声が


スピーカーにしなくても響いた。









『お、おい落ち着け、何だ急に落ち着け！！』



「落ち着きましょ岩泉さん、会いたいです。」



『お前のが落ち着け！』











でも私、スガさんの笑顔といったら



とびっきりの作り笑いか



エンジェルスマイルのふたつしか知らなくてこんな…








ラスボス的な背景が真っ黒に見える笑みは知らなかったんです












「い、岩、岩」


『携帯バグってんぞ』


「バグってんの私です岩泉さん」







スマホを持つ手が、強まって


発する声は弱くなる。








「…泣きそうです岩泉さん」










だって今まで色々やっても私に向けてくれた笑顔はぜんぶ優しい色だった。




何でいま、そんな顔をしているのか



そんな顔をさせることを私はしでかしたのか








もう考えるのも怖い。










「…………岩泉さんに、会いたい」










岩泉さんはさ、私にとってヒーローみたいで



私の窮地を救ってくれるんじゃないかって












『…お前、マジで思わせぶんな…』










期待する。





その言葉ははたして空耳か。












「…まだ、話し中？」











スガさんの声がすぐ後ろでした。

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