スガワラーやめます **

01.厳しい現実と昼休み ページ1

、







排球部の副主将、菅原孝支は女子に人気を誇る。



愛称はスガさん。



その彼のファンを''スガワラー''と呼ぶ。










「…じゅっと菅原さんが好きでした！」



「…じゅっと？」



「……ずっと、です」









噛んだぁあ…‼練習したのに！



ダメ元の告白でも流石にちゃんと言いたかった…









「えっと、前々からスガワ…菅原さんのファンで、憧れてまして」



「…そっか。ありがとな」









優しいふんわりした声が裏庭に吹く風に乗る。



灰色の髪を揺らして浮かべる困り笑い。



結果は、わかってた。








「でもごめん。気持ちに応えられない」



「あ、いえ、分かってたので！」



「……それに、俺の恋愛対象にも入ってない」









風が私にとって向かい風に変わった瞬間



絶望的な言葉を落とされた。



それは意識すらされないという意味。これからも。








「…君が、じゃなくて君たちが」



「…君たち？」



「気の所為じゃなければ俺に差し入れとかしてくれただろ？昼休みにサッカーしてたら見に来たり」









合ってるよな？の問いに頷く。




嬉しい、覚えてくれてた。私だけじゃなくても私を覚えててくれたのが嬉しいな……










「でもごめん。そういうファンの子たちを俺は好きになることないよ。絶対」










目を伏せた菅原さんの声は真っ直ぐで


恋愛対象外なんだって理解した。



……現実はとことん甘くはなかった。

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