裏マネの業務。2 **

57.一方俺たちは ー赤葦 ページ7

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「やーっぱダメかぁ、」



「つーか元々俺らのなのに可笑くねぇ？」



「あ、そーじゃん。もっかい交渉するか！」



「もう諦めたらどうですか…」













Aがあの不審者な姿から一転、本性を見せた途端にこの人たちはこれだ。





……あれだけ可哀想だとか怖いだとか散々な事を言っていたのに。




女子としてカウントしないだとか言っていましたよね、木兎さん達。
















「っくっそー！！まさか、まさかのあれか！ブサイク隠しとか言ってたのに！！」



「いや騙されましたよねー…良い意味で。」



「別にAに騙されてても良くね？」



「木葉さん。」














…そもそも俺とAが怪しいだとか勘ぐっていたのにそれは頭にないのか



そこは覚えてて欲しかったんですけど。













「いや黒髪かぁ…白福たちは色素薄めだけどAの黒髪も中々だよなぁ」



「……あー、猛烈に前の俺ビンタしてぇ」



「あの態度で今更好きになって貰うとか絶望的ですからね…」



「「おいコラ、尾長！！！」」



「いや事実ですよ」














どれだけAに好かれたいんだ、この人たち。













「まぁ、マジな話。あれは卑怯。」


「……結構、男はクラっとくるだろうな」


「惚れそうになったし、俺」














背後の鷲尾さんと猿杙さんの会話に、思わず振り向く




…………今、なんて。













「ぶっちゃけ、あんな顔で微笑まれたら落ちるよな〜、ギャップ萌えって恐ろしい」














…俺たちのバレー部では、あちこちからハートやら何やらが浮かんでる。




朝まではAが居ないから、とか



白福さんと雀田さんだけで嬉しいとか














「……Aは、どうでも良いんですよね？」


「はぁ！？何言ってんだ！」


「雀田さん達がいますし」


「それとこれとは別！」









・







…………しまった。



こうなるなら手を打っておくべきだった、監督たちに頭を下げてマスクの許可を得るべきだった













「(Aにキスしてもらって、浮かれてたな…)」











現時的ではないと分かっていても思ってしまう












「早くA戻って来ねぇかな…」


「あんま遅いと心配で死ぬわ、俺」











…頼むから、Aがまだ裏に徹していた時に戻してほしい




この人達に、Aのオモテは見せるべきではなかった。

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