07.マスクは必需品 ページ7
、
「…それは、キスしろって事?」
「まさか。そんな訳ないだろ、」
艶やかに笑う彼を誰が止められるのだろうか。
赤葦の指先はマスクから耳の方に移動し、マスクの紐部分を軽くつまむ。
「一回俺の前でだけその顔見せて欲しいだけだよ」
「………絶対嫌。」
「強情だな。キスの方が良かった?」
「どっちも断固拒否するけど?」
バカか、と言いたくなったけど自分より成績の良い相手に言うのは無意識に躊躇う私の性。
そんな私の一瞬の隙を突いて、
ふっ、と外されるマスク。
「…は、ちょ、返……っん、」
慌てた時にはもう遅い。
ほんの僅かな一瞬で、さっきと違って今度はマスク越しではない柔らかな感触が唇にする。
離れる時に小さく、リップ音が鳴る。
「…なに、すんの……ッ」
「流石に顔全体は見せてくれないな、と思って」
「当たり前でしょ、本当に返せ」
マスクが外された今、口元を覆う物は何もなくて仕方なく腕で防御して隠す。
…マスクの有無で割と違いすぎる…!
「っ、あぁもう良い、教室に換えのマスクあるからそれ捨てといて!」
「何言ってるか分からないから一回腕離しなよ」
「その手は食うか。」
絶対聞き取れてるだろ。で、腕を下ろしたらまた無防備な唇を奪うつもりだろ。
激しく被害妄想が混入してるけど警戒心は捨てたくない
唇を隠したまま赤葦を睨み上げて
「他の部員には私がこの格好の理由、言わないで。
それと、諦めろって言ったでしょ。」
そう言い捨てながら
(…もう絶対、2度と関わりたくはない…ッッ!!!)
心の中でそう決め込むと眼前の彼が強かに笑む。
「……理由を話す気も、Aを諦める気も、俺には最初から無いよ。」
「…何?」
「悪いけど、諦めてやらない。」
ごめんな、と心無い謝罪を受けて固まる。
…………あぁ、とりあえず、面倒な奴に好かれたらしい。
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ただのルート(プロフ) - おみおみさん» コメントありがとうございます、まだまだ未熟な文ですがお褒めのお言葉本当に嬉しいです…!(泣) もっとキュンをお届けできるよう、続編も頑張りますね!本当にありがとうございます* (2019年9月19日 21時) (レス) id: 218d49cba4 (このIDを非表示/違反報告)
おみおみ(プロフ) - とても面白かったです!描写の書き方も上手でドキドキしました…(#^.^#)続編も楽しみにしています! (2019年9月19日 18時) (レス) id: 3c4f5f647e (このIDを非表示/違反報告)
ただのルート(プロフ) - アニメ大好きwomanさん» コメント有難うございます…!そう仰って頂けて本当に有難いです、更新これからも頑張りますのでよろしくお願いしますね!ヾ(*´∀`*)ノ (2019年9月14日 0時) (レス) id: 218d49cba4 (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好きwoman - とっっっても面白いので続きが早く読みたいです(*- -)(*_ _)ペコリこれからも更新頑張ってください( ゚Д゚)ゞ (2019年9月13日 20時) (レス) id: ebe81390c4 (このIDを非表示/違反報告)
ただのルート(プロフ) - weweweさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます…!そんな風に思って頂けてとても感激しております。更新頑張りまァァァァす!!!(*´v`*) (2019年9月7日 12時) (レス) id: 218d49cba4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ただのルート | 作成日時:2019年8月27日 8時