裏マネの業務。 **

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そもそも''赤葦京治''という奴は校内からも学年問わず女子人気を誇る。






バレー部副主将、頭の良さ、大人っぽさ、どれをとっても完璧に見えるけど女の趣味だけはサイアクだ。








……とどのつまり、赤葦の人気を忘れていた。


















「…何で私まで……ッ」




「…ごめん、成り行きで。」
















外から赤葦くーん？と呼ぶ声。





ここ、多目的室に私まで隠れてるのは何故。いやまぁ廊下を歩いてたら赤葦に連れ込まれただけだけど















「……何？」




「…いや、この距離でも全く顔が見えないんだな」




「顔面フル武装だからね」













ていうか、何で私を連れ込んだ？





扉に寄り掛かる赤葦の膝の上に座ったまま雰囲気で問うと回答は早かった。
















「これ、忘れて行ったから届けに。」




「あ、メモ。ごめんありが…、」




「俺も聞きたいんだけど」













ヒョイっと上に上げられる昨日のメモ用紙。




どうでも良いけど意地悪されてる小学生に見えるな私。













「コレ書いたの…彼氏？」














膝の上に座ってる私を少し見上げるようにして、無表情のまま聞かれる。






彼氏いる風貌に見えるなら眼科を受診した方がいい














「そんなの居ないけど。」



「え、」



「……いるように見えたの？」













そんな意外そうな顔を本気でされると思わなかった





この不審者女にも彼氏がいたら世も末だろうが。婚活なんて言葉も消滅するだろうが。

















「彼氏じゃないし、それ書いたのも身内だし。」




「…身内か」




「過保護なの。答えたから返してくれる？」
















スッ、と今度は大人しく差し出されたメモを早業で受け取る。と、














「心配して損したな……」




「いや、ちょっ……そろそろ出ようか赤葦？」




「休み時間あと少しだからまだ良いだろ」




「ギリギリで出て行くと。」














膝の上に居る私を引き寄せ、私の肩に顎を乗せ安堵した様に脱力してる。









…アンタが予鈴寸前で出て行くのはいいよ、けど私はもう出たいんだけどココ。






この体制じゃ立ち上がれもしないな、と息をつく私の耳元で














「…彼氏が居ないなら遠慮無用だな。」




「…ッは!!?」









悪魔の囁きが。

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