04.''赤葦京治'' ページ4
、
え……何、この状況。
「ちょっと…赤葦?」
「どこか怪我してないよな」
「あぁ、うん…取り敢えず一旦退こうか」
連れて来られたのは教室ではなく、陸上部がよく使ってる外にある方の体育倉庫。
中には砂埃が少しあって、僅かに息苦しい。けど間近にいる赤葦を見てればそんな事は気にならない。
「…何?本当に。」
「いや…藤田のこと気にしてるかと思って」
「平気、そんなに暇じゃないから。もう忘れてた」
「……藤田は悪い奴じゃないんだけど」
大丈夫と心底から言ってるんですけど。
でも多分、気遣いしいな赤葦は私の事もさっきの奴の事も、私達の仲の事まで気にしてのこと。
それだと邪険にできないな…、と目を閉じて考えてると。
「……まぁ正直、Aに手を出そうとしたのは少し気に食わないな」
そんな声と同時にその指先に顎を掬われて
レンズの奥の私の目と視線を合わせられる。
…待て、何だこの状況は。
「…その格好、俺は別に嫌いじゃないけどやめなよ」
「赤葦が嫌いじゃないならそれでいいから、やめない」
「そういう勘違いさせるセリフ、困るんだけど」
目を一瞬伏せながらそう言った赤葦の思考よりもどう逃げ出そうか、それだけを考える。
この格好をやめたらテツが面倒だろうし、それにもう一つ理由がある。
「…他の部員がAをどう思ってるか、分かってるだろ」
「でもやめない。ていうか何で赤葦がそんな事気にするの……。用があるからそろそろ行くね」
するり、眼前の赤葦を躱して扉の方に近づくと
『じゃあ赤葦が一方的に好きだったりね』
雀田さんの言葉を思い出し、慌てて首を左右に振る。
(…いやいや、ない。そんなまさか。)
「A、」
名前を呼ばれて振り返ると
「好きだから気にするんだけど」
「…は?」
その言葉に唖然とする、マスク越しに当たる、柔らかい感触。
マスクの所為かリップ音は鳴らない
「Aが好きだから、Aを知りたいんだよ」
彼は女の趣味が壊滅的に悪いらしい。
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ただのルート(プロフ) - おみおみさん» コメントありがとうございます、まだまだ未熟な文ですがお褒めのお言葉本当に嬉しいです…!(泣) もっとキュンをお届けできるよう、続編も頑張りますね!本当にありがとうございます* (2019年9月19日 21時) (レス) id: 218d49cba4 (このIDを非表示/違反報告)
おみおみ(プロフ) - とても面白かったです!描写の書き方も上手でドキドキしました…(#^.^#)続編も楽しみにしています! (2019年9月19日 18時) (レス) id: 3c4f5f647e (このIDを非表示/違反報告)
ただのルート(プロフ) - アニメ大好きwomanさん» コメント有難うございます…!そう仰って頂けて本当に有難いです、更新これからも頑張りますのでよろしくお願いしますね!ヾ(*´∀`*)ノ (2019年9月14日 0時) (レス) id: 218d49cba4 (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好きwoman - とっっっても面白いので続きが早く読みたいです(*- -)(*_ _)ペコリこれからも更新頑張ってください( ゚Д゚)ゞ (2019年9月13日 20時) (レス) id: ebe81390c4 (このIDを非表示/違反報告)
ただのルート(プロフ) - weweweさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます…!そんな風に思って頂けてとても感激しております。更新頑張りまァァァァす!!!(*´v`*) (2019年9月7日 12時) (レス) id: 218d49cba4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ただのルート | 作成日時:2019年8月27日 8時