裏マネの業務。 **

02.キッカケはペテン師 ページ2

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私がこんなに不審者じみた格好をするのには



くだらない理由があった。















「お前ここから梟谷通うの？遠いな」



「宮城から梟谷まで通うよりかは近いよ」



「毎朝新幹線乗るつもりだったのか」




「さすがに交通費が…足りなくて、」



「お前は他にも色々足りねーよ」















梟谷に通う為、従兄のテツの家にお世話になった時までは普通だった。





労力はノーカンか、と頭を叩かれたし。
















「つーかバレー部やんの？やったら合宿で会えるな、頑張ろうぜ」




「数秒で部活決まった。」




「となると木兎たちいんのか…」
















心配だな…と小声で唱えるテツの頭の方が私は心配だ。















「お前は顔だけは腹立つほど整ってるからな」





「ありがとう、父親似。」





「知っとるわ。よし、顔隠すか！」





「何でよ！ちょ、……な、何その眼鏡！」









「間違えて買った黒マスクor普通の白マスク」



「付ける気ないけど白。」

















おっしゃ、とポイポイ物を寄越してくるテツ。



しかも走り書きしたポストイットを額に貼られる。














「…………何なのこれ」




「いいか？素足は見せるな。」




「よくねーよ説明してよ」










「んで膝下3センチな、でマスクは常備」



「もう何この人」














そこからはペラペラとテツの昭和か！と言いたくなるほど古くさく厳しい決まり事を聞かされて。













「あ、そういえば眼鏡作りたいんだった。授業中かけたいから。この鼻メガネ返す。」




「おい俺まだ説明してんだけど。」




「とっくに聞いてねぇよ。」




「まぁ眼鏡屋は俺も行くわ」













そして軽い度入りなのにも関わらずレンズがアホかと言うほど分厚く作られた。

















「A、ちゃんとその顔隠せよ」




「しつこッ……次言ったら毛根ぶち抜くよ」




「代償が重い。…あのな、東京でそんな顔晒してたらアレだ、ほら、襲われるぞ」




「…………ッッ!!!」

















宮城生まれ宮城育ちの私はまんまと騙され。




そしてやめるタイミングを逃して今に至る。

03.恰好の餌食→←01.通報5秒前。

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