モブだって可愛いだろうが **

30.モブだって休日は騒々しい ページ30

、











「やっくんショート派だっけ？」



「おう。あいつはロングの良さをわかってない」



「え、黒尾こわ。」



















此の期に及んで木兎さんと木葉さんをとっ捕まえて、ロング派を増やそうとする黒尾さん、こわ。











3年ズを呆れながら眺めてると不意に視界が骨ばった手に遮られる。




















「………………何すんの赤葦。」




「見つめるの禁止。」




「哀れみの目でも？」











「…………ダメ。」



「ちょっと迷ったね」





















基本哀れみかドン引きの目しか送らないから心配しなくても大丈夫だというのに。




















「赤葦の心配性め。」




「……無自覚なAも悪いだろ」




「は？」


















丁度赤葦が喋ってるときに黒尾さんの「何だと！」という声が聞こえて、遮られた。


















「だから、」





「いやショートの良さもわかる。わかるが、わかった上で俺はロング派だ」





「…ごめん、ワンモア」






















黒尾さんの情熱が半端なくてコノヤロウ……。と思いながら背伸びして顔を近づけると。























「…だから、無防備なんだって言ってるだろ。」























あ。と、思った時には額に柔らかい感触がして。







この時ほど、赤葦にむやみに近づかないと誓った日はない。




















「口は我慢したから、許して」





「…………っ、か、」






「……なんかごめん」




「照れるんだったらやるな」



「白福さんから借りた漫画にあったから。」


















多分私たちに当てはまらないよソレ。











、













「…っだあああ！黒尾さん私もその談義入れてください！」




「Aなんか顔赤…」




「赤くないですけど何か？」

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