モブだって可愛いだろうが **

18.モブだってモブが怖い ページ18

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「…はっ!?」

















やっと遅れて理解した私をまだ腰を丸めて頭を差し出す赤葦が見下ろす。








まだ諦めてないのかお前は。

















「……何で私？」




「それ本気で言ってる？」




「いや心当たりはあるけど。確信あるけど。」





















あの屋上事件のことは忘れてない。ていうか雀田さん達もいるのにやめてほしい。









いや、雀田さんたちならまだいい。だけど。
























『赤葦くん、その子誰！？』























さっき赤葦を取り囲んでた子達がぞろぞろと訪れてあちゃー…と、額を抑える。










別種のモブが来ちゃったよ。モブにもお決まりパターンって到来するんだな。
























「…………私はただの通行人Bです。それ以上でもそれ以下でもありません。」





















赤葦に掴まれてない左手を軽く上げて、降参ポーズを繰り出す。








取り巻き系モブ は こんらん している！


















「(勝った…)」




「違うよ」




「は？」
























私は、前にも言った通りモブデイズを守りたい。







このモテ男の代名詞から。






















「通行人じゃなくて、俺の好きな人。」




















掴まれてた右手がいつの間にか恋人繋ぎになっていて、それを良いことに赤葦が踵を返せば私もつられる。












多勢に無勢も赤葦がいれば、ひっくり返る。















ふっ、と余裕綽々と小さく微笑むモテ男。



























「そういう訳だから俺のこと諦めて」
























そのまま赤葦が廊下を私を連れて小走りで駆ける。









あぁ…………








これでさよなら、私のモブデイズ。

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